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★新年のご挨拶    代表取締役社長 有馬 宏美

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 新年明けましておめでとうございます。              

 昨年は大変お世話になり、誠に有り難うございました。            

 今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。  

 

 2019年は、平成最後の年であるとともに新たな時代「令和元年」の幕開けの年でもありました。

 4月30日、天皇陛下の退位に際して行われる儀式「退位礼正殿の儀」が行われ、翌5月1日には、皇太子殿下が天皇に即位され、即位のあかしとして皇位の象徴である剣と璽、併せて国事行為の際に使用される御璽および国璽を継承される儀式「剣璽等承継の儀」が、皇居宮殿の正殿松の間にて厳粛に行われました。その様子をテレビ中継で拝見していると、朝からの降りしきる雨が止み、儀式時間に合わせて晴れ渡る皇居の周りに虹が出現した光景は、まさしく時代が変わった如く感じられ、たいへん感動いたしました。

 

 

 一方、近年自然災害が頻繁に起こる中、令和元年も例外ではありませんでした。相次いで来襲した台風、集中豪雨、地震と立て続けに起こり、甚大な被害が発生しました。災害の危険が迫って「特別警報」が出される度に「ただちに命を守る行動をとってください」と耳にし、唯々災害が出ないことを祈るしかない状況ではなかったでしょうか。

 

 また、大きな火災として、4月に発生したフランス・パリの世界遺産ノートルダム寺院(大聖堂)大火災には衝撃を受け、世界の文化資産消失に心を痛めましたが、今度は沖縄で10月31日午前2時40分ごろ、那覇市の世界遺産、首里城跡に建つ首里城正殿付近で煙が出ていると119番の一報が入り、沖縄県警、消防によると、木造3階建ての正殿から出火して北殿、南殿などに延焼、6棟 約4,200平方メートルをほぼ全焼し、約8時間後にようやく鎮火されるという悪夢のような光景を目の当たりに致しました。

 首里城と言えば、約30年にわたる復元工事が2019年1月に漸く完成したばかりで、沖縄の人にとって、古くは政治・軍事の拠点であって、また国の聖地とされていた重要な場所なだけに残念で仕方ありません。一日も早い復興を願うところであります。

 

 さて、当社本業である木造建築をめぐる環境は、国の施策等もあり、追い風を感じるところですが、特に新しく取り組んでおりますCLT事業は、いま市場に認知されるための産みの苦しみに悪戦苦闘している最中と言えるかもしれません。

 2016年3月31日及び4月1日にCLTを用いた一般的な設計法等に関して建築基準法に基づく告示が公布・施行されて以降、次々とCLT建築物が推進されてきていますが、民間需要にまで拡大、成熟するには、まだまだ乗り越えなければならない課題も多くあるように認識しております。

 CLTのコストダウンはもちろんのこと、耐火性能、施工性、接合、金物等、建築に関わるあらゆる課題に対し、昨年掲げた会社の方針でもあります「進化する木造建築、研究開発を通じて多様化する課題に果敢にチャレンジ」精神で2020年も引き続き取り組んで参りたいと考えております。

 

 また、新たな動きとして大径材製材が全国あちこちで動き出している様に見聞きしております。10数年前より山側から提起された大径材の利用について、ようやく加工する体制も整備されつつあります。以前では、大径材は強度等品質のばらつきが大きいことや安定供給への懸念などから敬遠され、価格が低迷しておりましたが、近年では大径材出材が目立つように市場等に並べられ容易に取引できることからか、対応する製材施設稼働に繋がっているようです。

 当社も大径材について商品開発のための試験を開始したいと考えております。従前より扱っている大径材ではありますが、材質及び加工・乾燥・強度特性を改めて調査し、新たな商品へと繋げる試作品も作成し、ご案内できるよう取り組んで参ります。

 

【材面のきれいな板と桁材】


 

 最後になりますが、昨年は、令和元年度木造利用優良施設の表彰において内閣総理大臣賞を受賞された屋久島町庁舎、林野庁長官賞にPARK WOOD高森、そして中央協議会会長賞にみやこ下地島空港タ-ミナルが受賞され、後にそれぞれウッドデザイン賞も受賞されました。

 誠に見事に完成した建物写真を拝見しますと、私共がこれらの木造建築の一端に関わることができたことに心より感謝申し上げ、また今後一層木造建築に関わる技術・技能を磨いていかなければと決意を新たにするところであります。

 

 何卒、本年も変わらずご愛顧頂きますことをお願い申し上げますとともに、

 皆様のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。

(代表取締役社長  有馬 宏美)