Wooden Bridge

木橋の施工実績


杉の木橋 すぎのきばし

・所在地:宮崎県小林市大字南西方/ひなもり台県民ふれあいの森

・完 成:1997年3月

・発注者:宮崎県

・設 計:(財)日本住宅木材技術センター宮崎県木橋設計委員会様

・施 工:(下部工)株式会社谷川組様、(上部工)山佐木材(株)

・タイプ:上路式アーチ橋

・橋長:38.6m、支間長:34m、幅員:7m

・用途/設計荷重:車道橋/25トン

・集成材:スギ、ヒノキ、イタジイ 合計243m3

杉の木橋については、宮崎県林務部の意欲的な取り組みで実現した九州地区初の本格的木造車道橋で、設計荷重は25トンである。上路式集成材2ヒンジアーチ橋であり、アーチ支間長は34m、現在この設計荷重での、この支間長はわが国最大とのことである。使用集成材は、スギ、ヒノキ、イタジイの3樹種であり、総計243m3である。

㈶日本住宅木材技術センター内に設置された「宮崎県木橋設計委員会(委員長秋田大学薄木征三教授)」によって計画ならびに設計がなされた。


この工事は集成材の製造から架設、工事完了まで正月をはさんで4ヶ月という短期間の工期しかなかったが、それでも何とか工期内に完了することが出来た。それは発注者側の英断で、工事発注に先立ち、すなわち設計の進捗と並行して、数百m3の県有林の優良材を前もって伐採させておくなど、原木の手当を行っておられたことにある。工事受注後、当社は地元森林組合の手であらかじめ集積してあったこの材を核として、さらに同県内の木材数百m3を追加手当し、順調に工事を進めることが出来たものである。今後の木橋建設に当たって原木の手当は、特に県産材などの使用を指定する場合は、製造から架設までよりも、原木の調達の方が期間がかかるケースが多いことを念頭に置く必要があると思われる。

スギ板の使用総枚数12,100枚で、材質は非常に優良であった。

(佐々木幸久/「木材工業」Vol.53 1998年5月号より抜粋)