メールマガジン第62号>役員挨拶

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★役員からのメッセージ     代表取締役 佐々木 幸久

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下地島空港ターミナル現場を訪問

 さる11月6日、下地島空港ターミナル現場を訪問した。鹿児島県木材協同組合連合会(通称「県木連」)と肝属木材事業協同組合(通称「肝属木事協」)との共催研修旅行一行18名の一員としての現場訪問である。

 本現場訪問は3回目だが、1回目は計画が明らかになったとき、2回目は起工式の時であったから、着工してからは初訪問である。

 

 着工以来現場に常駐している小城課長、山田リーダーの案内で現場を視察。この時点で当社請負分のほぼ半分が出来ている状況である。使用する木材は主としてCLTで、その量は約1600m3、平屋だから拡がりが広大で、現場に臨むとその迫力は圧倒的なものがある。

 十数人の当社関係従業員が厳しい工程に応えるべく頑張っている姿を見て、頼もしくもまた誇らしくも思った。

11月ですが現場は暑かったです
11月ですが現場は暑かったです

 

 山田君は入社二十数年、現場施工のベテランである。今回の現場の受注に際し、会社にとって空前の規模であり、最初大丈夫かとの懸念があった。しかし山田君は最初から物怖じせず任せてくれればちゃんとやる、との自信を眉に浮かべた。

 一方、小城君は入社3年目、営業部所属である。思慮深く入念な人で、例えば彼と出張すればあらゆる事が事前に調査され、手配が万全で間然するところがない。

 今回の仕事は、使用する材料が多いことはもちろん、工程が多段階に亘り複雑で台風の多い地域、遠隔地であり物流にも懸念事項が多かった。ふとした手違いや、それによる工事の立ち往生する可能性もある。空港開港の厳然たる期限もある。

 他の仕事を止めればともかく、当社現行能力でこの仕事をきちんと納められるか、受注に際し建築部の責任者榎原専務の苦悩は深かった。

 小城君の存在は専務の苦衷を必ずや減殺してくれるに違いないと思い、山田君、津曲君、小松君とともに現場担当とすることを私から強く勧めた経緯があった。

 

日に焼けていた山田さん(左)、右はCLT部の河野主任
日に焼けていた山田さん(左)、右はCLT部の河野主任
バスの中で添乗員のように説明してくれた小城さん
バスの中で添乗員のように説明してくれた小城さん

  

 無い無い尽くしで事を始めざるを得ないことがある。30年前がそうだった。第2分野の事業(非住宅・大断面集成材事業)を始める時のことである。法が改正され、新しい木造建築の気運が高まったあの時が、タイミングとしては絶好であった。ただ人材も金も万全ではなかった。経験者がいない。しかし現場がないのに経験を積むことはありえない。未経験の我々が新しく事業を始めて、始めた現場で経験を積んでいくしかないではないか。この事業のために採用した社員と、これまでの社員で実績を積んで行けばよいという考えだった。

 

 売れない筈はないとの自信はあった。しかしあのように注文が殺到してくるとは想定していなかった。狂瀾怒濤の数年だったと振り返っている。

 暫くして山田君を含む多数が新卒として入社、今現在中核として活躍してくれている。

 

 後日、稲盛和夫氏の「盛和塾鹿児島」が始まり参加した。氏からは多くのことを教わった。新商品、新規事業の開発成功の秘訣も、随分あけすけに教えてくれた。

 ある時「未来進行形」という言葉を聞いて、瞬間的に理解したように思う。まさに私たちが体験したことだったし、今は世界に冠たる京セラも、スタート当初あったのは氏のアイディアと発明のみ、まさに無い無い尽くしからのスタートだったに違いない。

(代表取締役 佐々木 幸久)