メールマガジン第57号>役員挨拶

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★役員からのメッセージ     代表取締役 佐々木 幸久

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1.平成29年度を振り返って

 昨年度も様々な出来事の重なった年でした。主な事項としては、

①新しく西日本シティ銀行様とお取引開始

②CLT関連設備の新増設

③下地島空港ターミナルCLT工事の受注 規模においてこれまでで最大

④仙台市木造10階建て建築のCLT受注

⑤時間外労働時間制限が厳しくなる 

 

 昨年度は協和木材様新庄工場(集成材)、サイプレススナダヤ様新工場(CLT)の落成式にお招きを受けました。国産材業界にあっても、新しいスタイルの大型工場が出現しました。大いに啓蒙された次第です。

 

協和木材 佐川社長
協和木材 佐川社長
サイプレス・スナダヤ 砂田社長
サイプレス・スナダヤ 砂田社長

 

2.平成30年度経営計画

 既報のごとく、恒例の方針発表会を行いました。

 中期スローガン

 「地域材を高い技術力で高度に加工し活用する。

  我が社は、この活動を通じて中堅地域優良企業を実現する。」

  

重点1 幹部社員、中堅社員の継続的な研修を実施する。

重点2 新元号元年5月1日を開始日とする長期経営計画を策定。

重点3 各部門とも一人当収益(償却前)☆☆☆以上確保する。  

重点4 各部門とも単月赤字を出さない。

重点5 時間外労働を低減、賞与支給額を増額する。

重点6 各部門とも徹底したコストダウンを実行する。

重点7 新しい商品作りに取り組む。

重点8 丸太調達について長期的対策を講じる。 

 全国でも最も過疎の進んだ大隅地域において、先代からの社是である地域経済への貢献ができることを願っています。地域への貢献が明らかになる程度の売上規模が欲しいと思いますし、事業の安定的発展のために地道に努力して増収増益を目指したいと考えています。

 

方針発表会
方針発表会

新規事業のスタートを振り返る

 ちょうど永らく禁止されていた大型木造建築の解禁という歴史的な時代背景の中で、平成2年から当社では新しい事業として集成材(大断面)製造=非住宅大型木造建築を始めました。

 当時私は42歳、体力・情熱ともに旺盛で、商用車にパンフレットを山のように積んで、月曜日の明け方に日高、福留両氏との3人で出かけて、北九州から九州中を南下、金曜日の夜遅く帰ってくるというようなことを、全然苦にもならず頻繁にしていました。

 その時同行の日高さんは永年九州内各営林署に勤務、下屋久営林署長で退官した人で、九州各地の事情に詳しくまた知人も多くて、この事業推進に大いに貢献した人でした。もう一人の私より2歳若い福留君は、道中笑いの絶えない愉快な男でしたが、病に冒され昨秋冥界に召されました。

 

工場完成前に受注第1号

 このような営業活動の中、工場完成前に注文を受けることになりました。城山観光ホテル、「レストラン ホルト」です。完成までには幾多の紆余曲折がありましたが、無事完成、落成式では保社長様(当時)から感謝状を戴きました。副賞の紙包みを「何だろう」と開けたら、なんと100万円のお金が入っていました。今でも時にこのことを披瀝すると、よほど珍しいことのようで、大概の人がびっくりされます。

 この時の「レストラン ホルト」の落成式が平成3年9月で、会社の工場の落成式は同年10月でしたから、お客様の落成式が先という、まあめずらしい体験をしたと言えるかも知れません。 

いまも現役です「城山観光ホテル レストランホルト」
いまも現役です「城山観光ホテル レストランホルト」

 

その後の急成長

 新しい事業開始に際して初めてのお客様にこのように喜ばれたことは勇気百倍でした。工場完成後この年3件の仕事を受注、秋から春にかけて実に大変な年でしたが、何とか初年度を無事乗り切れました。

 これからあと、受注額が前年比倍増という急成長が数年続きました。何の手を打っても売上が数億を決して超えることのない山佐木材でしたが、わずか4年で二十億台になりました。

 「チャンスの女神は前髪をつかまえよ」と言いますが、うまく時流に乗ったときの勢いは人智を超えるものがあります。

 

好事魔多し

 当社の手がけている大型木造建築は、住宅に比べて構造面で特異なものがあったりで、もともと住宅に比べて建築確認でも時間が掛かかっていました。突然勃発したいわゆる姉歯事件。そしてすべての設計士が姉歯技師と同じだろうと考えたとしか思えない行政の対応は、確認申請業務に深刻な影響をもたらしました。殆どの工事がストップしたのです。以前の高度成長は止まっていたものの、当時まだ人手も沢山かかえていたので、これは結構骨身に応えました。

 そして更に3年後、こんどは世界的な規模での金融事件「リーマンショック」の襲撃を受けました。金融機関の反応や対応も、先の建築行政の例にも勝るとも劣らない激烈なものでした。住宅建築がほぼストップしました。

 どうにか今では立ち直ったものの、たまにあの二つの事件がなかったらという感慨を持つことがあります。

 

これからも頑張りましょう

 とはいえ、それが世の常、これからも何が起こるかわからないと考えなければならないでしょう。当社でも時代背景をしっかりおさえて、まずは足許を固めつつ着実な経営に努めることが大切だと考えています。そして世には時に飛躍のチャンスがあること、それを見誤らず、見失わず、冷静に見極めること。残る仕事人生を意義あるものにしたいと念じています。

(代表取締役 佐々木 幸久)