メールマガジン第45号>役員挨拶

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★役員からのメッセージ    代表取締役  佐々木 幸久

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平成29年度 方針発表会

前年度を振り返る

 前年度実績は当初非常に良い見通しを持っていましたが、なかなか思うようにいきませんでした。一つには年度当初に熊本県を中心とする大地震の影響があげられます。復旧事業が優先され、おそらくは設計の見直しもあり、発注が遅れました。また人手不足から入札が不調になるケースもあり、予想よりも業績が低迷しました。

 従って今年の昇給についても意欲に反して若干抑制的にならざるを得ませんでした。今年度は業績にも依りますが、出来れば全社員を対象にしたベースアップを行いたいと考えています。

 

今年度業績見込みについて

 では今年度の業績見通しは果たしてどうでしょうか。今年度はCLT本格操業より3年目になりますが、幸いにも大型物件の受注が予想されています。この物件での木材使用量は2000m3を超え、かつて愛媛県の松山武道館の規模に匹敵します。あの時は当社の受け持ちは二次加工(プレカット)のみで、材料と架設は別事業体が行いました。今回は材料から加工、架設まですべて当社の担当となり、まさに過去最大の現場になります。この受注が実現すれば。

 この受注にこぎ着けて完遂できれば、他の案件と併せてCLT生産量は年間約5000m3に近づく可能性が出てきます。売上高も前年比数十%の伸びになって、今年度の収益に大きく貢献、我が社の資本性向改善に大きく寄与してくれるはずです。またCLTメーカーとして、木質構造専門工事業者として、我が社の評価が高まることは間違いありません。

 

 しかしながら逆に仕事がうまくいかないと、利益が出るどころか損失を生じ、信用失墜を引き起こすなど大きなリスクもあります。 

 このような状況を我が社は二十数年前に体験しています。平成2年度(1991年度)当社は大型木造建築(大断面集成材)事業を始めました。自社工場を建設しながら対外広報を行っていたところ、城山観光ホテルの、後に「ホルト」と名付けられたレストランを3月に契約しました。この仕事は上棟後設計の大幅なバージョンアップがあり、追加工事で総額2億5千万円にもなり、当時の年商5億円の50%に及びました。

 

 翌平成3年度には、開聞町の町営そうめん流しレストランの「唐船峡」、佐多町の「統合中学校」、高山町の「屋内ゲートボール場」の3件が契約になりました。創業当初右も左もわからぬ中、大変な難儀もありましたが、皆ものともせずに難局を乗り切り、無事に完遂できました。それからも次々に仕事が舞い込み、元々の売上の数倍にまで増大しましたが、次第に慣れてきてスムーズに仕事をこなせるようになりました。

 

 当時に比べればもう25年も経ち、実に多くの経験を積み人材も整いました。また今年度は8億以上の金を投じて新しい設備も導入します。あの頃に比べたら随分体制は整っています。あとは皆の取り組む姿勢です。

これらを示したのが平成29年度スローガンです。

「今年度受注予定のプロジェクトは、我が社躍進の一大チャンスである。通常業務を粛々とこなしながら、全員協力体制でこのプロジェクトを成し遂げる。」

 

これからの中長期の見通し

 さて我が社を将来にわたってどのようにしていくか。我が社の知名度が上がり、辺鄙な場所にいるにもかかわらず様々な仕事のご相談を受けるようになったことにはもちろん何か事情があるはずです。

 

 私はこの理由を次のように考えています。

1.スギなど国産材を製材から建築まで一貫して永年こつこつとやってきた。

2.1000を超える実績を積み重ねてきた。

3.超高層ビルに木材を使用する研究会

4.今年3年目になる「技術本部」

5.多くの先生方のご協力

 

「地域材を高い技術力で高度に加工し活用する。

  我が社はこの活動を通じて中堅地域優良企業を実現する。」 

 

 

中堅地域優良企業を目指す

1.値段競争でなく、技術と信頼で仕事が戴ける体制作り。

  但しコストダウンは常に努力し、コストギャップを解消する。

2.育てる風土、育つ風土。この場で思い切り働き、思い切り力を付ける。

3.多くの人が生き生きと、明るく楽しく働いている。いずれ300人位に。

4.一定の売上高、収益を実現する。

 木質構造工事業の分野で、数%から10%程度のシェアを確保する。

 ※注 現在大断面集成材では概ね10%程度のシェアを有すると思われる。

5.地域への貢献

6.「やまさ十の誓い」の実現

 

 今年度はそのスタートの年。

(代表取締役 佐々木 幸久)