メールマガジン第4号>役員挨拶

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★役員からのメッセージ   常務取締役 有馬 宏美
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謹んで新春のお慶びを申し上げます

輝かしい新年を迎え、皆様のご健康とご繁栄を心よりお祈り申し上げます。

旧年中は格別なご高配を賜り、まことに有難く厚く御礼申し上げます。

本年も、より一層のご支援を賜りますよう従業員一同心よりお願い申し上げます。

消費税増税前の駆け込み需要

 本年4月の消費税アップを前にして、昨年夏から秋にかけて住宅建築ラッシュが始まりました。いわゆる増税前の「駆け込み需要」です。荷動きとして、製材工場のフル稼働の中で原木在庫は一向に増えず、柱材を中心に引き続き好調で、中目材は一層引き合いが強まっています。

 こうした状況は、年を越しても概ね高値を維持したまま横這いで推移しています。それを裏付けるように、各社のプレカット工場では新たな仕事に対して数ヶ月待ちの状況が続くほどの活況にあります。

 

 また今回の原木急騰は、消費税の駆け込み需要や木材需要促進施策の実施により、一時的に国産材の需要が急増し、丸太の増産が追いつかない状態が続いているからだと思われます。

 問題は4月以降の需要反動減です。この先はいったん需要は減速が予想され、急騰した分の反落が懸念されているところです。

 前回、97年4月に税率が3%から5%に引き上げられたときはストレートに住宅着工に影響を与えました。この時も駆け込み需要で住宅着工戸数が増え、98年は反動減で、はっきりと落ち込みました。率にして15.6%、戸数にして28万戸減ったのです。実感として、価格も併せて低下したことから2割~3割減少したように感じられました。

プロダクトアウトとマーケットイン

こうした先行きが懸念される中、それに備える準備・行動が大事だと思います。

 先日、福岡で行われた交流会の中で、M様の『国産材の可能性と住宅業界の期待』と題した講演で、最も印象的な話は『国産材を扱う林産業各社にはプロダクトアウトの考え方の下、作ったから買ってくださいという行動がほとんどで、マーケットインという発想行動がほとんどないため、住宅業界の下請け的立ち位置になっている』という指摘でありました。

 この手厳しい話を聞いて、少なくとも私には反論できず、この業界の弱さを象徴しているのかもしれないという思いがありました。

 まさにマーケットインという発想を視点に、これからの需要動向に対応する対策を講じる行動が考えられるのではないでしょうか。

 木材の川下は、私たち製材木材産業ではなく、住宅を建設する工務店であり、住宅メーカーであります。この業界の方々がいま厳に欲する商品(数量・品質・価格・安定供給)をしっかり把握し、お客様が満足していただけるよう商品供給の努力を惜しまないことが大切と考えます。

 同時に、生産者である私たちには、潜在的にあるお客様の要望に対して(新しい材料・新しい工法)提案するという、プロダクトアウトの意味の大きな役割があることも忘れてはなりません。

 特に本年は、CLT(直交集成板)のJAS規格施行、枠組壁工法構造用製材のJAS規格改正等々、供給サイドにおいても様々な動きがあり、これらの商品化に向けて着実な行動が求められております。

そういった意味において、木材界にとって大きな転換期である本年、マーケットイン・プロダクトアウトの両輪をうまく動かしていく年にしたいと思います。

(常務取締役 有馬 宏美)


プロダクトアウトとは・・・

企業が製品や商品、サービスの調達・開発・提供・販売を行うに際して、企業の有する技術や優位性などを基本にそれらの事業活動に取り込んでいく考え方。「作ったものを売る」という考え方。

 

マーケットインとは・・・

企業が製品や商品、サービスの調達・開発・提供・販売を行うに際して、市場や顧客のニーズを汲み取った上でそれらの事業活動に取り込んでいく考え方。「売れるものを作る」という考え方。