メールマガジン第28号>役員挨拶

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★役員からのメッセージ       取締役CLT部長 村田 忠

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幸多き新春を迎えられたこととお喜び申し上げます。

昨年中はたいへんお世話になりありがとうございました。本年もなお一層のご厚誼のほどお願い申し上げます。

 

 昨年末には物議を醸した東京オリンピック、パラリンピック主会場の新国立競技場の設計も決まり、いよいよ五輪に向けた様々な動きが出てくる年だと思います。両提案ともに積極的に木材利用をうたっていたことから、国民の関心事にあわせ、木材がこのような大規模建築にも利用可能であるということをPRできただけでもかなりの効果があったと思います。

 メインスタジアムだけでなく、その他の五輪関連施設においても木材利用はかなり計画されているようですので、再利用、再加工のしやすさなど特長を活かした利用が推進されればと願います。規模もそれなりのものが出てくることかと思います。従来より、木材業界は零細で納期対応力に欠ける点、価格不安定など、大規模工事には対応しにくい面をもっております。これを機に、業界が一致団結し、責任をもって材料を供給していく体制を構築していかねばならないでしょう。

 近視眼的な動きになりがちですが、五輪特需に浮かれることなく、一方で将来的に予想される市場の落ち込みに対して需要創造していくことを忘れないようにしたいものです。

 

 昨年は、CLT事業を5月に部門化し、数棟の建築案件に納材させていただくことができました。新しいチームが産声をあげた記念すべき年だったといえます。今年は法整備が整うことを前提に、さらに目標を高く設定し、当社事業の柱となるべく本格稼働に向けた様々な手を打つ、猿のように達者に飛躍する年にしたいと思います。

 CLT同様に力を入れているSAMURAI(鉄筋補強集成材)についても、林野庁、研究機関のご支援をいただき、木質系複合材料の一つとして長期性能データを収集する動きがでるところまで進みました。SAMURAIは木材と鉄を組み合わせて集成材化していることで材料としてはこれまで想定されていない新しいものです。それゆえに基準がなく、現状では一般的に使うことが難しい材料です。

CLT
CLT
SAMURAI
SAMURAI

 これまでも、技術革新には規制緩和が必要とされ、なかなか規制緩和がない中での木材の利用推進は難しいとされてきました。しかしながら、平成26年6月24日閣議決定された規制改革実施計画には、「規制改革は、我が国の経済を再生するに当たっての阻害要因を除去し、民需主導の経済成長を実現していくために不可欠の取組であり、内閣の最重要課題の一つである」と位置付けられています。CLTは、民間事業者等の要望に応える規制改革の項目として、「大規模建築物におけるCLTの活用のためのJAS規格の策定及び一般的な設計法に関する基準の策定」とあり、その実施時期として、「JAS規格については措置済み、一般的な設計法については、平成27年度までに検討、結論を得次第措置」とあり、その先駆けにロードマップが公表されたのでしょう。

 

 これからは、間違いなく技術革新による需要創造がしやすい環境になって参ります。CLT同様に魅力のあるこのSAMURAIを使える環境が一日も早く整備されることを望み邁進して参りたいと思います。

皆さまご支援のほどよろしくお願い申し上げます。

(取締役CLT部長 村田 忠)