会長あいさつ


 

 

山佐木材株式会社

代表取締役会長 佐々木 幸久

(ささき ゆきひさ)

プロフィール

執筆文集

 


事業紹介① 製材

当社は創業以来60数年にわたって、一貫して製材を本業の柱としてきました。

住宅向けの構造材その他の品質の高い製材品を供給しています。一軒の家ごとに数量を算出、邸別で全ての木材納入が可能です。

最近では住宅のみならず、老健施設などかなりの規模の建築も木造化が進んできて、多品種の乾燥材を一時に供給するよう求められるケースが増えましたが、これらにも十分対応可能です。


事業紹介② 大型木造建築

近年学校施設など、公共建築についても全国的に木造化の動きが鮮明になりました。当社は大型木造建築の分野にも平成2年(1990年)より本格的に取り組んできました。この分野で既に20年を超える実績を積んでおり、携わったプロジェクトは優に1000件を超えています。中には面積15,000㎡という大規模のものもありましたし、厳しい工期に泣いた事例、また構造上極めて難度の高い案件もありました。これらを何とかクリアしてきた経験とノウハウは、これから様々な状況で皆さまにきっとお役に立てるものと思います。


多面的な木材利用が進む

木材利用は最近になって大きな変革期にきています。かつて国産材は住宅向けが全て、と言う時代が続きました。住宅用途に合わない木材は収穫せず林地に残していたのですが、経済合理性からも、他の国の木材利用のあり方からみても異例でした。

国や殆どの地方公共団体において、低層の公共建築は木造とする方向性が定まりました。これが一過性のブームに終わることなく、底堅く継続されるよう、私どもとしては供給者責任を果たして行きたいと思います。

最近国内でも話題になっているCLTは、ヨーロッパで近年盛んになっている中層の木造建築を可能にした材料、技術です。私はこの製品が実用化されて間もない2000年にオーストリアのKLH社を見学する幸運に恵まれました。木材の特色である異方性を解消した良い面材料です。

2013年12月に国内におけるCLTのJAS規格が制定されましたが、当社としても供給体制を整えるべく準備を進めています。これまでのノウハウに加えて、我が国木造建築の推進に寄与するものと思います。


熱エネルギー源としての木材

木材は製材、二次加工の時に必ず残材や木屑が発生します。伐採現場での残材は国内では膨大な量になります。これまで手つかずでしたが、これらを使っての発電計画が鹿児島内はじめ九州でもいくつか進んでいるようです。ただ発電の熱利用効率は非常に低く、熱の大半を温排水として捨てることになるのが気になります。

当社では数年前にボイラーを設置、その熱で木材を乾燥するようにしました。コスト削減効果は大きく、木材加工の黒字化に貢献しました。バイオマスエネルギーの熱利用に関しては、エネルギー自立、地域経済、山の健全性維持の各点からも大事なことで、私たちも今後とも更に研究努力して参ります。

オーストリアKLH社を見学したときのことを講演させていただきました

(2013年5月14日 高知県CLT建築推進協議会にて)