メールマガジン第8号>役員挨拶

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★役員からのメッセージ  専務取締役 神田 稔
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STAP細胞からSTAP現象へ、そして有力な仮説

衝撃の論文発表から4ヶ月、時代の寵児言語となったSTAPは浅学非才な小生にも多々日々のニュースを傾聴する楽しみを与えてくれましたが、一生懸命科学の進歩、人類への貢献を目指している人をある種おとしめようとしているような扱い方の風潮にはいささか辟易するものがありました。それほどの高尚さはないですが、今回はスギの細胞に着目したいと思います。

生あるものは細胞の成長なしには存在し得ないのですが、私たちの身近にある杉も品種において千差万別の細胞成長をしています。15年程前に南アフリカ共和国からスギの大木を輸入しましたが、その芯材部分の年輪幅の広いことにはびっくりしました。成長を促すために施肥されたのか、また、アフリカ大陸にも屋久杉に引けを取らない古代スギがあるようですが、気候風土がその生長に適していたのか不思議でなりません。

 

国内のスギの木はその成長の早さや扱いやすさから建築物に多用されてきましたが、鹿児島県では太陽光発電の架台としても利用されています。

我が社でもインサイジングしたスギの角材に防腐剤を注入した材料を納入したのですが、このときの端材(厚さ10cm)が工場のボイラーで焼却されてしまう寸前でした。

私はちょうどその頃、「焼酎を10年保存しよう」というプロジェクトに参加していました。焼酎の保存場所は、湧水(年間水温18度)の上に室(むろ)をつくり、その中に長期保存使用という計画でしたので、さっそくこの端材を利用して室をつくり、自宅に湧く水源の上に置いてみました。

すると、室は外気7度でも室温16度という丁度良い温度になり、スギ材の断熱効果を再認識することができました。

スギの端材で作った「室」(むろ)
スギの端材で作った「室」(むろ)
室内に焼酎を保存。室内は適温に保たれています
室内に焼酎を保存。室内は適温に保たれています

 

焼酎の保存場所に適した自宅の湧水(動画)。

この上に「室」を置くことで室内が適温に保たれます。

 

我が社が今年度最重要事項としているCLTのJAS取得、製造体制の確立はスギの持っている物性を十分に生かす取り組みとなるという有力な仮説でしょうか??

10年後に焼酎の風味がどのように変わっているかを小生の細胞もいきいきと味わうと思うと楽しみでなりません。

専務取締役 神田 稔