メールマガジン第83号>部室長挨拶

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★部室長からのメッセージ     技術開発室 室長 桐野昭寛

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 日増しに寒さが身にしみるようになり、冬がもうそこまで来ているのを感じる季節となりました。

 これからは、インフルエンザにも気を付けながら、ウィズコロナの中でも皆様が健やかにお過ごしになれますよう祈念するばかりです。

 

 一昨年度、昨年度は、「CLT床と鉄骨梁の取り付け方法のローコスト化」と「CLT床の耐火被覆材の取り付け手間の削減、ローコスト型の床専用CLT板の開発」をテーマに開発を試みてまいりました。

 今年度は、「柱梁鉄骨造の中大規模ビル型建物向けのCLTを用いた制震壁システムの開発」をテーマに実験を進めている最中です。

 

 

 ラグスクリューボルトと角型鋼管をスライスした金物をCLT壁と鉄骨梁との接合具と接合金物として使用します。鋼管の上下のプレートは制震壁の曲げ剛性・曲げ強度を制御し、左右のプレートはせん断・せん断強度の伝達に用います。これにより、制震壁の崩壊は、接合金物のみで生じることになり、崩壊モードを明確にすることができるのではないかとの考えから実験を行っています。

鹿児島県工業技術センターでの要素試験の風景 7/20

   

接合金物にひずみゲージを取り付けている風景 左右上下60箇所 

森林総合研究所 ひずみゲージ約60箇所と変位計約48箇所取り付け風景 9/14

 


 台風の影響により森林総研への試験体搬入が2日遅れたり、台風の影響?で小松主任の森林総研入りが遅れたり、試験体が思わぬところで破壊して試験の練り直しで出直しになったりと色んなハプニングがありましたが、約一月に亘る森林総合研究所での大実験を無事期間内に終える事ができました。

 

 試験日程の遅れを取り戻すべく夜遅くまでご対応いただきました、森林総合研究所 野田様・鈴木様、小松主任、鹿児島からわざわざお手伝いにお越しいただいた鹿児島県工業技術センター中原様、お忙しい中試験のご見学にお越しいただいた皆様、この場をお借りしてお礼申し上げます。

 

 今後、耐火試験(日本インシュレーション(株) 簡易耐火炉)と福岡大学の試験が終了しましたら、また、ご報告いたします。 

技術開発室 室長 桐野昭寛

超高層ビルに木材を使用する研究会総会(オンライン)で報告する桐野室長
超高層ビルに木材を使用する研究会総会(オンライン)で報告する桐野室長