メールマガジン第61号>やまたすく通信

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★【連載】やまたすく通信(4)

     森林施業プランナー研修(鹿児島県主催)を受講してきました

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 先月は早くもネタ切れにつき投稿を怠けてしまいました。(毎月投稿、納期厳守がモットーの編集長、スミマセン!!)今回も提出〆切は過ぎつつも、何とかネタがありましたので投稿^^;

 

今回は、9月19日~21日の2泊3日で鹿児島の姶良市蒲生の「森の研修館かごしま」にて開催されました、森林施業プランナー研修(プランナー研修)に参加してきました。

 

 

 森のゲートを抜けると…

そこは森の研修館かごしま だった!

 


 

 そもそもこの「森林施業プランナー」とは、京都府日吉町森林組合の提案型集約化施業がモデルとなり、平成21年に林野庁から出された「森林林業再生プラン」に盛り込まれたことで根付いた考え方です。地域の森林管理の担い手として期待され、間伐事業地の集約化、そのために森林所有者とコミュニケーションを図る役割を果たす人材を輩出すべく、各地で育成研修が盛んに行われてきました。

森林施業プランナーについては詳しくはこちら(http://shinrin-planner.com/planner/index/

 

 各地で、国主導、都道府県主導の様々なタイプの研修が行われていますが、今回は鹿児島県主催の内容でした。まず驚いたのは、その参加人数!!総勢30名近くの受講者。以前いた和歌山でも同様の研修をしたことがありましたが、ここまではなかなかなく、素材生産量100万m3/年に昇りつめた鹿児島県の熱気、パワーを感じながらのスタートでした。

 

総勢30名近くの受講者に20名以上の林業技術専門員のサポートを頂きました

 

 さて、このプランナー研修、目標とする林型・育林技術、コスト分析・工程管理、作業システムと林業機械、労働安全対策とありますが、一番の中心となるのは「森林施業プラン」とその内容に基づく「提案説明」ではないかと思います。

 そして、このプランを作るために必要になるのが、間伐をする森林にどの位の木材があるのか、収入、費用はいくらになるのかを見積もるための情報を得る「森林調査」です。当初は研修2日目に行われる予定ですが、翌日から確実に雨マークがついているとのことで、急遽予定変更。初日に事前座学もなく実践研修に入りました。

今回は2か所をプロット調査。

トゥルーパルスという機械を使って樹高も測りました。


 

 5~6人1班に分かれて、早速調査を開始。標準的であろう地形や立木を見定めて(これが一番難しい)いざプロット調査!!釣り竿を使ってプロット内で測量する立木を決め、胸高直径や樹高を測りました。県の技術専門員さんに指導を頂きながら、機械を使ったり、選木の考え方を議論したり、「普段の仕事だとあーやこーや」等々、ワイワイ盛り上がりました。

 

 調査結果を内業で集計し、「収量比数」等々の指標を基にどの程度の木材が収穫できるのか、あるいは収穫すると決めるのか、いくらくらいの費用が掛かるのかを見積もり、具体的な数値情報としてまとめました。

 最後はこれを発表!!…なのですが、同じ林分を測ったとは思えないぐらい結果が乱高下^^; どこをプロット調場所に選ぶのか、将来を見据えてどのような手入れ、あるいは、主伐後の再造林を考えるのか、プランナーの考えどころを学ぶ機会になりました。 

 


手集計やPCを使っての内業。全体共有をしてズレが生じた要因や留意点等を議論しました

 

  ちなみに、今回のプランナー研修以外にも様々な林業関係の研修を受け入れいている「森の研修館かごしま」。実は今回が初めてではなく、15年程前の学部生時代に、1週間ほど帰省して受講した「緑の雇用研修」でお世話になったことがありました。その際は宿泊まではしなかったのですが、研修施設の裏に専用の宿泊施設を備えていて、今回は2泊ともお世話になりました。食事もとても美味しくて居心地も良く、研修のストレスを解消してくれました。今回の岐阜県立森林文化アカデミーの時もそうでしたが、こういった部分もとても大事だなーと改めて感じながら、帰途につきました。

 


研修所裏の宿泊施設

実はこの部屋で夜な夜な仕事に追われていたのはナイショ…そしてご飯が美味しかった!!

 

 いつもは研修講師側や企画運営側で出席させていただく機会が多いプランナー研修。受講者として参加するのはちょっと緊張もしましたが、県内の事業体の方々とやりとりができたり、県の職員の皆さまに大変丁寧にご指導をいただくことができたりと、参加してみるととても新鮮な気分で3日間を終えることができました。 

(やっぱり、山に入る方が楽しい 新永)