メールマガジン第5号>さつま郷句

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★さつま郷句作品抄   渋柿会鹿屋支部
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題:正月(しょがっ)

青字は読み方です。声に出して読んでみましょう。

分からない方は近くの鹿児島出身者に読んでもらいましょう!

煤け妻   正月三日あ    若こつくっ

すすけかか しょがっみっかあ わこつくっ

唱 四日目かあな  またずん垂れっ

  よっかめかあな またずんだれっ

下本地 狂二

 

【解説】多忙な年の瀬の家事や雑用に追われ、やっと大晦日ぎりぎりにパーマ屋さんで髪を整えて若く美しい奥様に変身しました。明けて正月にはいつもの淑やかな愛妻振りでお客様のおもてなし。それも正月三が日だけの・・・。

 

良か正月   朝かあ飲でん  叱らん女房

よかしょがっ あさかあぬでん がらんかか

唱 気味が悪りごっ 優し家内

  きぞがわりごっ やさしうっかた

堂園 三洋

 

【解説】普段は外で飲んで帰っても自宅での晩酌でも耳が痛いほど愚痴や嫌味を聞かされているのに、正月の今日だけは朝から飲んでも咎め立てしない妻に安堵と何やら不気味な恐れを感じている句です。

初孫を   正月土産い    実家て帰っ

はっまごを しょがっみやげい さてもどっ

唱 そいが何よか  良か親孝行

  そいがないよか よかおやこうこ

新地 十意

 

【解説】都会に就職した息子もすっかり生活に馴れて今では家庭を持ち、今度の正月には初孫を土産に里帰りするという嬉しい知らせに、早く孫や嫁の顔を見たいと待ち望んている両親の様子が見えるようです。

★解説は渋柿会鹿屋支部の有川様にいただきました。