メールマガジン第31号>役員挨拶

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★役員からのメッセージ               代表取締役 佐々木 幸久

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平成27年度から平成28年度へ

前年度の反省にたって、今年度は更に前進する

 

反省は成長の糧

  この一年間を振り返ってみて、様々な失敗やまずかった点が多々ありました。

私から見た問題点を部門ごとに一つずつ上げると

  • 製材部: 挽き高目標未達
  • 集成材部: 時間外勤務の過大
  • 建設部: 受注金額未達

 問題点の原因を素直に多角的に検討し、本質を突いた効果的な対策を講じることが、常に変わらぬ前進の秘訣です。

 当社の決算期は5月1日から4月30日ですから、ちょうど今の4月はこの作業をするために適切な時期であります。各部門、チームともにそれぞれの課題についてその原因をつめて、新年度の指針にして欲しいと思います。 

 

CLT事業初年度 

 さて平成27年度はCLT事業が独立した事業部門としてスタートしての初年度でした。

何の事業でもスタート時点においては、0からのスタートですから売り上げ見通しは立てにくいものです。 

 実績は私の予測と、部門の予測(計画)とのおおよそ中間くらいというところでした。

初めてのことで、人も設備も経験も何もかも不足の中で大変だったようです。

 

 国からはCLTに関する告示が予想よりも前倒しで出されました。いよいよ本格始動です。

初年度の経験を活かして、新年度はムダ・ムラ・ムリのないスムーズな生産体制を築いて欲しいと思います。

2年目は初年度の倍くらいに伸ばせれば良いと思っています。

 

非住宅(大断面集成材)事業創業前後の経験

 二十数年前、「非住宅分野」について検討しているとき、金融機関の方が心配して、大断面集成材について需要予測の資料を持ってきてくれました。その調査の結論は、「(同材料は)ニーズがなく、需要は見込めない」と言うものでした。

 その調査に対する私の考えは、供給体制が整っていない今の時点で、目に見える形で需要が現れるはずもない、というものでした。 様々な資料や現象を見る中で、今顕在需要は無いものの、供給体制さえ整えば、「潜在需要」はあると確信していました。

 例えば、旧佐多町(現 南大隅町)で、当時の故黒木信一町長が小学校を木造で新築され、全国的に有名になりました。この時は建設に必要な木材を集めるために苦心惨憺、最終的に国有林の協力により何とか完成に持ち込めたと聞いたものです。

 まずは材料の供給体制構築と技術力を持ち、その後は熱心にしつこく需要開発、ニーズ掘り起こしに努めるのみと思ったのです。 

 最終的に金融機関の同意もありスタートしましたが、初年度受注2億円、第2年度4億円、第3年度8億円、第4年度16億円と、4年連続対前年比倍増を続けました。

 

CLT事業、我が社の今後

  そのときの「夢よもう一度」、「柳の下にどじょう」を夢想しているわけではありませんが、ただその時の手応えから言うのですが、新規事業はコンセプトとタイミングを過たず、本気で熱心に取り組めば、そして付け加えて運にも恵まれれば、実力以上に事業の急進をもたらす可能性があります。

 むしろあの時の急激過ぎる売り上げの伸びは、経営上は好ましい結果をもたらしませんでした。一般的に新規事業参入の際の「リスク」と言うとき、想定に対して売上不足を第1に上げるケースが大半です。金融機関が事業参入に難色を示すとすれば、理由はまずそれだろうと思います。

        

 実は当時最大のリスクは、想定以上の受注過大から来る「納期遅れ」でした。「納期がムリなら受注しなければよい」というのは当時の事情を知らないから言えることで、発注されたら「受注するしか道がない」状況だったのです。それは当時のお客様がすべて私たちの提案を受けてご採用戴いたのであり、もしお断りする事態になればご担当者の失態にもなりかねません。

 

 CLT事業の今後を占うとき、二つのリスクを意識しています。一つはごく普通に言われる売り上げ不足です。もちろんこの懸念もあります。従って死にものぐるいで受注確保に取り組むつもりです。

 もう一つの懸念は二十余年前仕事が想定以上に重なって、今なら確実に労基署の立ち入り調査ものという状態が半年も続いた「悪夢」です。 

 平成28年度は新規の設備についても決断すべき時期です。自社のこの事業についてのコンセプトを確認しながら効率的な生産体制を整えていきたいと思います。

(代表取締役 佐々木幸久)