メールマガジン第2号>加工センターニュース

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★きもつき木材高次加工センターニュース
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当センターでは、木材乾燥の際に使用する熱エネルギーとして、蒸気を使用しています。

蒸気は通常ボイラーによって製造されますが、一般的には重油、灯油等の石油系燃料によって賄われています。

先月のメルマガでご紹介しましたが、当センターでは平成19年10月に「木くず焚きボイラー」を導入しました。

それ以前を思い起こすと、重油価格を聞くたびに押しつぶされそうな状況でありました。当時の状況をご紹介します。

10基の乾燥機により木材を乾燥
10基の乾燥機により木材を乾燥

乾燥用の燃料として使われるのは、主に「A重油」です。

ちなみに現在のA重油の価格について調べてみますと、資源エネルギー庁による九州・沖縄局の小型ローリー納入2月価格は、1リットル当たり92.0円。かなりの価格となっています。

昨年の年間平均値は、1リットル当たり86.3円でしたが、昨年夏ごろから80円台で推移して、本年9月には93円台になっています。

このような状況下では、石油系燃料を使用している需要家にとって大きな痛手であり、経営そのものが危ぶまれることにもなり兼ねない状況です。

平成9年に乾燥事業を主たる業務とした当センターが設立した当初は、A重油30円台前半でしたが、年々徐々に上昇し、平成19年には60円後半まで価格が上昇しました。

乾燥材の需要が多くなるに従い、月々の重油代として300万円強、年間4,000万円の燃料代を支払い、製造コストの中でかなりの部分を占めるようになりました。

乾燥材売り上げは順調に増えていくものの、危機的経営状況に陥ってしまいました。

当センターでは、燃料費の上昇について、経営上大きな懸念事項として、数年前から検討課題として取り上げられ、木くず焚きボイラーの導入について検討・研究していました。

まずは、燃料となる木くず・皮くず・プレナーくず等、機械ごとに発生量の把握につとめ、十分に賄えることの確認をしました。同時に燃料の搬入方法、貯蔵方法を検討しました。

平成19年、約1億2,000万円を投じて(うち半分は国費補助)、熱源を重油から木くずに転換することが出来ました。

下記の図は、組合と山佐木材の各工場の配置図ですが、それぞれから発生するバイオマス燃料と蒸気の移送を表したものです。

これを模式的に示すと以下のようになり、いったん工場に入った原材料から発生した木くず等は熱源利用され、さらに最終的な製品になるまでの間に発生するゴミも循環利用されています。

協同組合きもつき木材高次加工センター

専務理事 有馬宏美

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