巨大フエフキダイを釣る!

前回、2月初めに内之浦方面に釣り部長H氏といそいそと遊漁船に乗ったものの、帰りはクーラーボックスを

ひっくり返して帰ったという苦い記憶から4ヶ月、また船長からお誘いの電話がなり、今イサキが釣れだしたという情報でありました。


二人してどうしょうか悩んだあげく、たまには気分転換と、朝5時30分早い出港となりました。

場所は、肝付町ロケット基地下、朝のうちは天候もよく気持ちよくスタ-ト
場所は、肝付町ロケット基地下、朝のうちは天候もよく気持ちよくスタ-ト

 

狙いはイサキ。船首の方からは1投目からイサキが釣れ始め、だんだんと船尾の釣り人の方へと釣果が上がり始めました。大きさは30~40㎝平均。開始約1時間程は万遍なく皆釣り上げたようでした。(8名乗船)


私自身、内心はイサキが2~3匹釣れて、あと真鯛が釣り上げたいという気持ちから、仕掛けはハリス6号8m、マダイハリ12号の片テンビン、1匹かけでエサ投入していました。(イサキ仕掛けとは違うことは承知の上で)


イサキ釣りが一息ついたところで、風の方向が変わって船が回転し、水深が一気に20m程上がって30mになってしまいました。そんなところに竿がぐっと曲がり大物がヒットした感触がありました。

 電動が勢いよく巻かれるかと思いきや糸は出て行く一方、もしやこれは" 大鯛 "、格闘の結果は写真の" フエフキダイ "でした。

計量 6.510㎏
計量 6.510㎏

フエフキダイ(お魚図鑑より)

特徴:岩礁域や砂礫底に生息している。本属中、最も北まで分布する種である。ハマフエフキダイとよく似ているが、より体高が高く、各うろこの中心が黒い。上下両あごの側方の歯は円錐形で、各側に2本の犬歯がある。沿岸の砂れき上や岩礁の間に生息する。甲殻類、多毛類などを食べる。5〜8月産卵する。

分布:富山県、和歌山県以南、東インド諸島

漁法:磯釣り、定置網、刺網

大きさ:45cm

食べ方:刺身、煮付け、塩焼き

最終釣果は、フエフキ1匹、イサキ3匹、チダイ1匹、大鯵10数匹、大鯖5匹で、満足な一日でした。

(釣り師A)


巨大フエフキダイを料(れう)る!

6月14日午後3時過ぎのことです、電話が。

出ると、このところ「凄ワザ」出演で人気者の平野君。

「ハ、ハーン」。休日、この時間の平野君の電話は決まっているのです。釣れすぎた魚の処理。「貰ってくれますかあ」。「も、も、もちろん」、これは私。


しかしこの日はもらい上手の私もびっくり。びっくりを通り越して、吃驚仰天。フエフキダイ、通称たっばん。聞けば有馬君が釣ったもので、計量したら、6.5kgあった由。この日の有馬君はほかにも大漁で、ご近所に配って喜ばれ、奥方に顰蹙を買わない程度の、必要にして十分な釣果があった由。

 

ここから後は私の想像、大きすぎて自分のクーラーボックスには入らないこの大魚に、記念写真を撮ったあとは興味を失う有馬君。船の隣にいながら不漁をかこつ平野君のクーラーに放り込んで、「良かごっ、しやい(好きなようにしなされ)」。


そして平野君の帰り道にある私の家に途中下車したという次第。しかしこの大きめのクーラーボックスにも素直には入らず、体を曲げて押し込まれていて、取り出すと押し込まれた形のまま硬直。

※翌日有馬君からメールを戴きました(「我が家では処分できない大きさでここは、料理の達人にお任せするのが一番と思って平野氏に託しました。」)


まずは出刃と刺身包丁を研ぐ。魚をざっと洗い、次にはさみで背びれの剣を切り落とす。それからうろこ落とし。これが大きく、固く、一円玉をまき散らすように四方八方、流し台の外まで飛び出します。

 うろこを落としたら、魚をふきんで拭いて、まな板にのせる。出刃で頭を落とそうとするが、私の柔な出刃では骨を断ちきれない。両側からかまのところに切り込みを入れ、左手で頭を押さえて、右手で尾を上に持ち上げると、ぽきり。無事身と頭が別れました。

 ぶりと比べても何ともこわもての魚でした。



 

刺身。半分は金網に乗せて、皮目をガスで炙る。磯魚でよくやる「焼き切り」です。

半分は皮を除く普通の刺身。これで何人分だろう、有馬君のような大きなおなかの人でも、10人分は軽くあるだろう。


頭はかまを外し、えらを取る。かぶと割、これは頭から諦めました。丸のまま大鍋に、ほかの骨と共にゆでる。肝と白子、胃は中身を出してひっくり返して包丁でこそげる。これらは甘辛煮。

 

まず刺身、これは絶品でした。薄造りの方が良かったかも。

焼き切りは、これまでやったのはだいたい1kg程度、これだけの大きな魚には私の炙り方が中途半端でした。

 

残った刺身は醤油、みりんのたれに漬け込み、「漬け(づけ)」に。

かまを塩焼きにしてみました。「ん?ん!なんだ?」。磯魚の香りがするが、「地鶏だ」。箸で身をむしれない。両手でつかみ、口に持って行く。この深い味わい。ひょっとして、プロの料理人なら一晩寝かすのかもしれません。


頭とアラのだしで豆腐と野菜を煮る。絶品の鍋です。

おかげさまで、貴重な料理体験とそれにも勝る口福をしみじみ味わうことが出来ました。有馬君、平野君ありがとう。

(佐々木 幸久)


追記6月28日 湾内鯛釣り

天候は、昼から晴天になる予定で出港したものの、朝から雨に降られる中タイ釣りしました。

釣果は、真鯛、チダイ、アジでした。

1匹だけ少し大きい真鯛、50cmのみでしたがまあまあの釣果。