━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★【シリーズ】CLT(Cross Laminated Timber)(12)

 「CLT関連開発事業について

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

結論から言うと、今月号もまだ “内緒” です。


先月号でお約束していた当社の今年度CLT開発内容についての報告をしようと予定していましたが、まだ確定していない事項が多く、再び来月号に持越しとなってしまいました。


既に事業の募集が始まっていますので現在は、これらの受託に向けて応募の準備を進めています。皆さんもご存知だと思いますが、開発に向けた実験には膨大な費用を要します。そのため、我々のような地方の中小企業が単独で実施するにはハードルが高く、行政からの補助等はとても助かります。

 こうした補助を受け、出来るだけCLTやSAMURAI集成材等の新たな製品を世に送り出し、使っていただけるように頑張っていきたいと考えています。


スタートする開発事業

さて、CLT関連の補助事業において、現在公募中で、当社も応募を予定している事業としては、以下の2つの事業があります。

 

1. CLT建築等新たな製品・技術活用建築物実証事業

((公財)日本住宅・木材技術センター 木構造振興㈱ )

① 建築物の建築実証

② 建築物の設計実証 

③ 部材の性能実証等 

以上の3点の項目で募集されています。


2. CLT等新たな製品・技術の開発・普及事業(林野庁)

この事業には当社もH25年度補正またH26年度には採択いただき、「超高層ビルに木材を使おう」という方針に向けて数歩前進できました。実用に向けてはあと一歩のところまで来ていますので、何とか今年も・・と期待をしているところです。

内容としては

① CLT普及促進

② CLT強度データ収集

③ CLT等接合部データ収集

④ 木質耐火部材開発

⑤ 住宅等における新たな製品・技術開発

⑥ 木造建築物等の健康・省エネ性等データ整備

以上の6つの項目で募集されています。


 ただ、上記2つの事業の応募締切や説明会等は、このメルマガ配信の時には既に終わっております。CLTに興味を持って関わっている方々は、既にご存知で申込み済みとは思われます。


対応に苦慮すること色々

CLT等の開発事業が上記以外にも7月~8月にかけて一斉にスタートします。

また、終了時期は多くが年度末の為、試験実施時期も集中しますのでいろいろな問題が発生します。

特にいつも大変なのが以下の3点です。

① 試験体の製造納期

一般の集成材工事も年度の内、8月~1月に集中するので当社ではCLTと集成材の製造が、集中してしまうためお客様の希望納期に向けては出来るだけ早い発注や連絡をお願いしたいと思います。

② 試験機

防耐火では耐火炉、せん断耐力では耐力壁の面内せん断試験機などの試験機は、数か所の試験所や大学研究機関に限られている為、早めに予約しておかないと事業は採択されたけれど実験が出来ないなんてことになってしまいます。

 特に耐火炉は、数も少ない上に補助や委託の事業だけでなく、民間企業の使用も多い為今年度の利用だと昨年位からの予約でやっと試験が出来るなんて状況です。


面内せん断試験機
面内せん断試験機
耐火水平炉
耐火水平炉

耐火水平炉
耐火水平炉

③ 私事になりますが・・・

こうした補助・委託事業、特にCLTに関係した内容となると、

(一社)日本CLT協会から委員や事務局としての参加が多くなり、また自社単独での事業でも当然、委員、事務局または作業員としての参画もあり 8月~2月にかけて

多忙な日々が続くということです。こうした事は、私だけではなく

CLT開発に携わっている方々は皆同じだとは思いますが・・・


来月こそ・・・

採択されるか?どうか?は別として

1.の補助事業の結果発表は、7月上旬 2.の委託事業は7月8日の提案発表会後、次号では、何らかのご報告が出来るかと思っています。

 当社(と言うか 「超高層ビルに木材を使用する研究会」)の目指す、鋼構造での木材利用の提案が、提案に止まらず実現可能となるよう今年1年を正念場として取り組んでいきたいと考えています。


常務取締役技術本部長 塩﨑 征男