メールマガジン第18号>バイオマスシリーズ

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★【シリーズ】バイオマスについて(17) 代表取締役 佐々木幸久

  我が国林業の実力を如何に高めるか

儲かる林業はどう実現するか(4)

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担い手の育成

珍しく林業関係を扱った映画「WOOD JOB!(ウッジョブ)」は、原作「神去なあなあ日常(三浦しをん著)」も大変面白かったですが、目の覚めるような三重県内美林の映像の息をのむような美しさもあって二度も見ました。

 

主人公は林業と毛筋ほども関係のない、高校出たての都会の今時の青年ですが、偶然からこの林業担い手育成事業(緑の雇用)に応募し、先輩たちの熱情あふれる鍛えに途中逃亡を試みながらも、不思議に柔軟さを発揮、次第に林業の面白さ、魅力に目覚めていく、という物語です。

映画の主人公は研修を終わって一旦家に帰りながら、翻然と悟るところがあって、一旦別れた山の人たちの元に帰るところで映画は終わります。

 

現実は映画ほどドラマチックでは有り得ませんが、全国で多くの青年達が職業訓練としての林業研修にチャレンジしています。多くは林業の研修期間を終え、事業目的に沿って職業として林業に従事してくれているものと思います。

ただ思うようにいかず研修期間を終えて、そのままやめてしまう事例も一定程度有ると見聞しています。社会人としてある程度経験、歳を取ってから修行するのは大変だと思います。職人的な仕事は少しでも若い内に修行した方が有益なことは間違い有りません。 

 

ひとつの疑問

人材育成は本来大学、高校の学校教育の場で行われます。人材育成と言わず、「担い手」育成と言うからには、人材は充足しているが、「担い手」がいない、すなわち林業労働に直接従事するものがいないという問題意識だろうと思います。

とすれば、それは本来高等学校の職業教育が果たすべき役割であり、それが十分に機能していないという認識に到るべきです。つまり林業関連で言えば、農業系高校のかつて「林科」と言われた学科です。当地の近隣にある「鹿児島県立鹿屋農業高等学校」にも、学科の名前は変わっていますが、今でも有ります。たまたまその学科から卒業生が昨年1人、今年は2人入社してくれます。


高校の教育は大学に進学するもの向けの普通課程と、職に就くもの向けの職業課程とは2つの柱で、ともに重要視されているはずです。当然その職業教育には多額の費用を投下されているはずです。ところがそこから人材が充足されずに、林業や農業でもまた多額の費用を投じるいう現実はのは二重の投資で、誠に無駄の多い実態に陥っていると見なさざるを得ないのです。

高校の職業教育が農林業で機能していないなら、その原因をきちんと調べて改善すべきであって、それをそのまま放置して、別途林業の方で育成するよと言うのは国の仕組みとしておかしな話です。

産業教育は、産業界、大学関連学部、行政などと無関係で存立できません。それらの連携も無しに、仮に十年一日の如くかつての教科書を講述しているだけであれば、担い手の育成など出来るはずもありません。担い手育成を職業高校に果たして貰うべく、産学官がきちんと連携して、実用に耐える技術技能の教育課程を確立、教育現場でこれを徹底してマスターし、その代わり現場に入ったらきちんと処遇を保証する決まりを作ったらどうでしょうか。


林業関連が空前の好調を予測されるようになった今がその好機だと思います。

(代表取締役 佐々木幸久)