南日本文化賞受賞 お祝いのお手紙より

 

 南日本新聞社主催の南日本文化賞受賞を受けて、城山ホテルの元専務である上原様からお手紙を頂戴しました。

 大変素晴らしい(嬉しい)内容で、久しぶりに電話でお話しました。

 メルマガ公開のご了承をいただきましたので、ご紹介します。(佐々木幸久)


 このたびは南日本文化賞、受賞おめでとうございます。

 集成材で建てたホルトの開設から今年で三十年という節目に受賞され、ご縁を感じ一層嬉しく思います。

 かつて盛和塾で貴殿がはじめて開発した集成材の取組みを熱っぽく語られたのがきのうの様に思い出します。 

 当時、城山ホテル・保直次社長は、ビヤガーデンの一角にパーゴラの設置を計画していました。私は貴殿の話が強く脳裡に残り保社長に話したところ、集成材のサンプルが大変気に入り、さらに計画もパーゴラから館へと大きく変更されました。大量の注文となったため生産が追いつかず、当初のサンプルとは違ったため現場を見た保社長は何度か工事の中止を指示され、私も困りました。

 この厳しい要求に対応すべく、貴殿は陣頭指揮され、昼夜を忘れ、品質を上げ量産し全社挙げて取組まれました。見事に工期に間に合わせ完成させ、保社長を納得させました。 

 

 因みに、工事期間中、工事現場は台風の被害を受けましたが、貴殿況下社員の皆さんが早朝から片付けや清掃され、現場のみならずホテル周辺まで清掃されました。それを伝え聞いた保直次社長は一言「立派な社長と社員がいる会社だな。将来必ず発展するよ」と話され、私も自分のことの様に嬉しく胸があつくなりました。

 完成したホルトは全国的にも活目を集め視察者も多く、私も対応して応援しました。

 私の知人である建築家・鈴木エドワード先生は集成材の問い合わせがあり、地方にも未来志向のすばらしい会社があるのですねと言わしめました。

 

 余談ですが、当時 保社長は集成材を見て計画を変更し新しい発想が生まれました。

 城山ホテルの原点に立ち城山の自然に存在し、木のあたたかさをもった館、本館と差別化を図り、自生したホルトの木を囲み、楠の木を植え、自然に調和する館、名付けて「ガーデンハウス ホルト」としました。ある意味で今日のSDGs取組みの走りだったと思います。

 集成材という立派な商品がユーザーの発想をも変える力をもっている、商品力、そして妥協を許さぬ厳しい取組み、商品は磨かれ、さらには商品、仕事を通し社員の行動が会社の信頼をつくっていくことを私は当時貴殿から学びました。

 これまで国際基準の厳しい認証も取得されています。

 誠実に忍耐強く努力された結果であります。

 今回の受賞を機に益々ご活躍されます様、貴社のご発展をお祈りいたします。

 まずは受賞の喜びを込めて一筆執りました。季節柄お体にご自愛ください。草々