クルーズ船「ボレアル号」で行く南極の旅(6)

ルメール海峡を通り抜ける

 今朝は朝食を早めに取る。今朝は楽しみな行程があるのだ。

 南極半島と、島の間の狭い狭い「ルメール海峡」を船が通り抜けるのである。両岸から雪をまとった岩がせり出している。海峡の長さは11㎞余り、海峡幅は最狭部で200mしかないのだという。「氷山や風など航海状況が悪いときには海峡通貨を断念することもあり得ます」と、船内放送が煽(あお)る。乗客も固唾をのんで最前部に集まる。午前6時を過ぎた頃である。

ボレアル号の最前部に集まり見守る乗客

 

船は海峡を進んでいく

舷側が岸の氷をこすりそうな気がするほど、

近づくことがある

 


 氷山はもちろんだが、小さな氷塊もなるべくぶつけないよう細やかな操船をしているように感じる。

 船が砕氷船ではないということもあるかもしれない。しかし、氷塊や氷山のかけらもしぜんぶつであり、なるべく破壊しないかん和え方があるかもしれない。

 ちなみに、氷山は生まれた時にすべて番号が付けられており、国際的に登録される。それが二つに割れる(よくあることのようだ)とそれぞれに枝番号がついていくと言う。専門家は目の前に現れる氷山の識別ができるのだそうな。

 30分かそこら経っただろうか、絶景のルメール海峡を抜けた。

 

ルメール海峡を抜けたあとの海上風景


シャルコー泊地( Port Charcot ポートシャルコー)に上陸

 シャルコーは探検隊長の苗字。

例によって出発前の記念写真

ペンギンハイウェイ

 写真にある道を決して、歩いたり、踏み荒らしてはいけない

 


 ペンギンたちが卵を温めていた巣のあとである。細かい石で作ってあり、あの不自由な歩行をしながら、くちばしで一個一個小石を集めてこの巣を作るそうだ。

 油断すると、他のペンギンから石を盗まれることもあるとか。

 


ペンギンの巣営地


ゾディアック(ゴムボート)で湾内遊覧

 



様々な形の氷山

 


南極アザラシ

 

船が抜錨、航海を始める

おびただしい氷塊

またアザラシが


 

(佐々木幸久)