公共建築物等木材利用促進研修を受講しました

 

 こんにちは。2回目の投稿です。山佐木材新入社員の中野です。

 平成30年8月6日から8月10日の5日間、「平成30年度 公共建築物等木材利用促進研修」に参加しました。

  この研修は、公共建築物等の木材利用促進を図るため、中大規模の木造建築物の設計に当たっての制度、木材や木質建材の特性等についての知識及び木造建築の構造設計についての基礎的な技術を習得させ、中大規模木造建築物の構造設計及び発注等ができる者を育成することを目的に行われました。

 

 ちょうど3年前にも意匠設計をする方を対象にした研修が行われ、当時、当社に大分県庁から研修に来ていらっしゃった西胤さんが参加されていました。

 今回は入社したての私が参加させていただくことになり、大変光栄であるとともに、当社の名前を背負って参加させていただく初めての機会で緊張感もありました。 

(上図)高尾駅(1927年竣工木造平屋建て)

 

 研修場所は森林技術総合研究所(東京都八王子市)で、参加者の方は全国各地から来ていて、地方公共団体職員の方18名、民間企業の方17名、計35名での研修でした。研修中は、木造利用促進法などの法律のこと、構造設計の演習、木造の防耐火・耐久性や木材・木質材料のことなど木材に関するいろいろな講義がありました。


(上図)研修所・講義室の様子

 

 講義のほとんどが座学でしたが、4日目には木造建築物(大月市立大月短期大学 木材校舎)の見学がありました。木造校舎の木材には大月市と山梨県の県産材を多く使用したり、床にはCLTとLVLで作ったボックスビームが使われていたり、木の特徴や持ち味を生かして適材適所に木材を使い分けていました。個人的には、建物内部に使われていた縦型日除けルーバーが光の量を調節している様子が良いなと思いました。

 



(上図)大月市立大月短期大学の校舎

 

 講義を終えて、講義の先生方や一緒に参加した方たちからの話であったのは、「木造の構造設計者が少ない」ということでした。その理由として、昔からの固定概念(木造の構造設計が難しい、等)があること、木材の入手が困難であること(JAS認定工場の少なさ)や今のCLT工法の構造設計のやり方が複雑であることなどが考えられ、それらの改善が必要であるということでした。

 

 今回の研修を通して、木材を建物に使う上で知っておくべきことをたくさん学びました。これからますます日本に木造の建物が増えていく中で、材料メーカーの当社がどのように仕事をするべきか、考えさせられる研修でした。

 また、この研修では各地の林業系の方々、設計の方や同じ材料メーカーの方たちとお話をさせていただき、有意義な時間を過ごすことができました。

 これからの自分の仕事に生かせるよう、講義の内容を復習しておきたいと思います。

 (建設部 中野)