M田部長のぶらり肝付町の旅・イプシロン打ち上げと夜光雲

 

「初春を探そうか。」などという風流な気持ちも、しょんぼりとしぼんでしまいそうなこのところの寒さです。身をちぢめているせいでしょうか、なんと左の肩胛骨当たりが痛い・・・神経痛になっちゃたようです。しかし、こんなことで挫けてはいられない、今回は全国にも希なイベントが発生するというので気張って出かけることにしました。

 

 わが肝付町には、宇宙航空研究開発機構JAXAのロケット発射場があります。ここから1月18日(木)午前6時6分11秒にイプシロンロケット3号機が打ち上げられるのです。流石に科学の力、宇宙の事情によって、11秒が肝なのでしょう。が、M田にとっては「これなら発射を見てから会社に行けるじゃありませんか。片道1時間の距離まで余裕で往復可能!」の時刻と解釈してしまうのであります。負けじとこちらも秒読みで行動。

 

 当日4時50分22秒に起床、身支度を整えて、5時3分57秒、岸良方向へ向けて発車。普段は通る車もいない経路ですが、さすがに前を走っている車のテールランプが三つ、二つ見え隠れしています。

 岸良繁華街中心部には、消防車&救急車も待機、交差点から内之浦方面へは交通規制がかけられ一般車は通行できません。そこで、国道448号を錦江町方向へ右折し、船間方面へ。1㎞ほど行くと岸良海岸の駐車場がやたら明るい。幾台もの投光機が周りを照らし、車両案内係も配置されロケット発射見学場に様変わりしています。

 

 

 5時52分16秒、ボランティア案内係りのY田君の誘導で車止め完了。すでに駐車場は50台以上で満車となっています。係りの人たちは前の日の午後9時から配置についているとのこと。ご苦労様です。Y田君コーヒーありがとね。おいしかったです。

 

 まだ星が瞬く夜明け前の浜の堤防は、打ち上げを待つ見学者たちが発射場に向かって横一列に並んでいるようです。寒いなかでも、なんだかわくわく感が伝わってきました。 

 

 

 ちょうど60秒前から、町内防災放送の大スピーカーから射場のカウントダウンが中継され、気持ちが高揚してきます。「スリー、ツー、ワン、ゼロ、リフトアップ・・・」閃光が見学者たちの顔をはっきり見えるくらいに輝き、皆さんの歓声の後に爆音が響いてきました。

 

 

 ロケットの軌跡は、轟音を残しながら南の空高く弧を描いて揚がっていきました。初めて発射場の近場で見学しましたが、その迫力と美しさに恥ずかしながら感動を覚えました。これからロケットはできればこの時間に打ち上げてほしいものです。

 

 岸良見学場を早速後にして、出社の途につきました。峠のトンネルを抜け、明け始めた道を30kmのドライブ。開けた畑の中の一本道で、ふと見上げると、オレンジに柔らかく輝く光のひだが空に舞っています。まさかオーロラ?ではないでしょうが、人生で一度も見たことのないそれはそれはきれいな光景でした。

 

 

 夜光雲と呼ばれる現象だそうです。やはり早起きはするものです。いやはや大満足の朝でした。この日は春のような暖かさ、夕方自宅の庭の梅がいくつか花を開いていました。

 

(美しい写真はN野君にまかせて、次は春のおいしい物でも探そうか M田)