M田部長のぶらり旅(番外編)コアジサシが帰ってきました!(その2)

 前回のブログで、志布志市から大崎町にいたる志布志湾岸にコアジサシの営巣を確認したことをお伝えしました。繁殖が成功すれば8年ぶりのこととなります。

 

 以前はこの地に飛来し数百羽単位でコロニーを形成していたのに、なぜ来なくなったのか。

その理由として、以下の3点が考えられます。

 まず、砂浜の懐が侵食によって狭くなったこと。 台風の大波が砂浜の奥まで到達し営巣地が流されてしまうリスクが高まってしまいました。

 そして、狭くなった砂浜に4WD車で簡単に入り走り回れるようになったこと。人の楽しみの場所と鳥たちの繁殖場所が重なってしまい住み分けができなくなってしまったのです。コアジサシは特に、繁殖地への侵入者に対する警戒心が強く、卵や雛がいたとしても、場合によっては守っていた巣を放棄してしまうことがあるのです。

 一方で、小魚が沿岸に近付かなくなり、餌が十分に確保できなくなった可能性もあったかもしれません。

 海岸の形の変化と餌の小魚の回遊については、自然の力のなせる技ですのでなかなか手の打ちようもないわけですが、車の進入については繁殖地を避けてもらうことができそうです。そこで有志の皆さんが、県や市町にお願いし、7月はじめから9月半ばまで、営巣地周辺に進入禁止であることを知らせる看板とロープを設置しました。砂浜を利用する皆さんの理解も得られたようで、期間内、営巣地が保護されたことはありがたいことでした。

コアジサシの抱卵は成功し、7月22日には雛を確認することができました。

 

小魚をくわえているコアジサシ
小魚をくわえているコアジサシ
親鳥と雛  
親鳥と雛  

上2枚撮影 小手川清隆さん(7/22)

 

 8月5日から6日にかけて、台風5号が九州の東側を通過。大波に浜が洗われることで雛たちの安全が心配されました。しかし、台風後の観察で、営巣地が少しだけ小高い砂山になっていたため、雛たちは波による被害を受けることなく、飛べるまでに成長した姿を見せてくれました。

アジサシとコアジサシの群 手前に幼鳥 撮影渡口旦さん(8/12)
アジサシとコアジサシの群 手前に幼鳥 撮影渡口旦さん(8/12)

 

 志布志湾で子育てを終えたコアジサシの群れは、南を目指して飛び立ったのでしょう、8月27日の観察では、砂浜には彼らの姿はありませんでした。

お蔭様で今年は楽しみがひとつ増えたいい夏でした。来年また飛来してくれることを期待したいと思います。

(次は山のたよりかも M田) 

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コメント: 3
  • #1

    月田 徹 (土曜日, 16 9月 2017 12:21)

    来週伺うので、宜しくお願いします。

    三菱地所ホーム

  • #2

    大野 義昭 (火曜日, 17 10月 2017 15:04)

    真面目に全ての記事を拝読させて頂いてます。皆様の「木」に対しての情熱をいつも感じます。
    今回は多くの内容でした。真面目に読んだので少し疲れて居ましたら、M田さんの記事にある小手川さんの撮影された「親鳥と雛」は心の安らぎを私に呉れました。ありがとう!

  • #3

    四元です。 (火曜日, 17 10月 2017 17:56)

    49号の◯田さんのカニにコメントしようとしたのにコアジサシにしか行きませ〜〜ん。やっぱし、レベルの低い食べ物の話より、高等な動物の話が優先されるのでしょうか!これは絶対◯田部長に食べさせて貰わない。納得できない。あんな美味そうな写真載せてコメントできないこの悔しさ!
    (● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾