M田部長のぶらり旅・秋の風物詩「サシバの渡り」

 サシバというタカの仲間がいます。タカとしては中型で、翼を広げるとちょうどカラスくらいの大きさ。

近年里山の環境悪化で、数が激減し環境省の絶滅危惧種に指定されています。毎年春3月ごろ南アジアの島々から日本や中国大陸に北上して、繁殖し、初秋、大集団となって南へ渡っていきます。

 

南九州では、10月2週目あたりに秋の渡りのピークが訪れるようです。

鹿屋市の大隅広域公園は、その渡りを360度パノラマで観察できることで有名な、全国でも知ってる人は知っているところなのです。

 

10月10日体育の日、公園と野鳥の会との共催で観察会が開かれるというので行ってみることに。

9日は雨だったので、足止めを余儀なくされた集団がいるのではと、早朝からちょっと期待に胸を膨らませております。

日の出前の大隅広域公園 国見山を望む
日の出前の大隅広域公園 国見山を望む

 

 6時30分に公園に到着。晴天、ほぼ無風。絶好の渡り日和となりました。

これから、陽がさして、上昇気流が発生しだすとサシバが飛び始めます。彼らは上昇気流を利用して旋回しながら高度をあげ、次の上昇気流まで滑空します。その繰り返しでエネルギーを出来るだけ消費せずに南の佐多岬、南西諸島を目指すのだそうです。

 しばらくすると、期待したとおり、後から後から渡りの集団が現れ、公園の上空で旋回を始めました。

  

公園上空のタカ柱。旋回してボールのようになる
公園上空のタカ柱。旋回してボールのようになる
これから南へ渡っていく「サシバ」(写真部・中野さん撮影)
これから南へ渡っていく「サシバ」(写真部・中野さん撮影)

 

 10時までに観測したサシバの数は3860羽を超えました。ここから南に50キロ、佐多岬では5000を超えたとのことです。

 青空を舞いながら渡っていく鳥たちの、力強さとひたむきさに感動を覚えてしまいました。

また来年も会いたいですなぁ。

 

 (次は高山へ帰るのか M田)