M田部長のぶらり肝付町の旅 番外編

「帰っておいでコアジサシ ボランティア活動in志布志」

 南端の肝付川河口から北へ東串良町、大崎町、志布志市、宮崎県串間市都井岬へと続く志布志湾。沿岸の総延長はおよそ80Km。その大部分は白砂青松の海岸線に縁取られ、日南海岸国定公園にも指定されています。

 この海岸や注ぎ込むいくつもの河口にはシギやチドリの仲間をはじめ、世界で3000羽しか生息していないと言われる希少種クロツラヘラギなど多くの渡り鳥が訪れています。

 コアジサシも夏鳥として繁殖のためにこの地に渡ってくる鳥です。かつては、志布志湾のあちこちの河口付近に集団で営巣し、イワシやキビナゴなどの小魚を餌に繁殖していたのです。

 

2015年7月4日、東京都にて。コアジサシ親子の給餌シーン。

日本野鳥の会HPより 撮影:小川 義博さん

 

 しかし、ここ数年急激に生息数が減少、環境省のレッドリストで絶滅危惧種Ⅱ類に位置づけられています。2015年は鹿児島県内志布志湾での営巣は全く確認できませんでした。

 そんな状況のなか、志布志市在住の方々の努力と、鹿児島県、志布志市の協力で、河口に人工のコアジサシ営巣地を造成することになりました。「帰っておいでコアジサシ」と名付けられたこの活動に参加しました。

 造成地の広さは約2000m2、県に盛り土と珊瑚や貝殻などの客土、木杭の打ち込みまで済ませてもらい、獣よけのネットを志布志市に提供してもらったそうです。

 

3月20日(日)晴れ 9時から11時まで。

 連休中日にもかかわらず、二十数名の参加者が。造成地周囲法面の伐採した竹の片付けとごみの清掃。

快晴のため気温が20℃を超え、汗をかきながらの作業となりました。

 

4月10日(日)小雨 9時から10時30分まで

 朝からの雨にもかかわらず、鹿児島市内、姶良市内からも参加いただき、野猫、狸などの獣よけのネット張りと地面との固定を行いました。

 

 志布志湾では4月19日にコアジサシ初認の記録があるそうです。彼らのカップルがこの造成地を見つけてくれることを楽しみに待ちたいと思います。

                           (志布志にはまりそうなM田)