3月3日(木)ひな祭り。
お雛様の微笑みを表したかのようなお天気に恵まれ、東京の新木場にある木材会館にて、約一年ぶりに『鋼構造オフィスビル床のCLT化』研究成果報告会を開催することができました。
これまでメルマガでも度々ご紹介してきましたが、今年度は、平成25,26年度林野庁委託事業において実施された研究成果を踏まえ、開発を進める中で新たに浮上した問題点を中心に検討・分析を行ってきました。
報告会には、ゼネコン、設計、研究者、メーカー等々、各方面から約150名もの皆様にご参加頂きました。
昨年度と同様、超高層ビルに木材を使用する研究会、全国木材組合連合会、日本CLT協会、日本木材加工技術協会、日本建築構造技術者協会にご後援いただくとともに、今回は新たに日本鋼構造協会にもご後援いただきました。
この場を借りて御礼申し上げます。
【プログラム】 ※敬称略
・主催者挨拶 佐々木幸久(山佐木材(株)代表取締役社長)
・林野庁挨拶 小島孝文(林野庁林政部木材産業課長)
・事業報告① 「CLT床の2時間耐火性能の取得に向けて」
村田忠(山佐木材(株)取締役CLT部長)
・事業報告② 「成果報告の概要とポイント」
稲田達夫(超高層ビルに木材を使用する研究会会長・福岡大学工学部教授)
・事業報告③ 「構造的課題と小型炉による検討」
倉富洋(福岡大学工学部助教授)
・事業報告④ 「S造フレーム+CLT床 面内せん断性能」
田中圭(大分大学工学部助教授)
・関連事業紹介① 「2時間耐火性能評価試験概要と結果 上面(床)加熱試験」
佐川修((一財)建材試験センター中央試験所主幹)
・関連事業紹介② 「2時間耐火性能評価試験概要と結果 下面(床)加熱試験」
矢垰和彦((一財)建材試験センター西日本試験所主幹)
・関連事業紹介③ 「CLT施工性確認試験及び歩行振動試験概要紹介」
西胤謙吉(山佐木材(株)技術本部企画係長)
今回、稲田先生が総括でお話されていた大きく前に進んだ2点。
1つは『CLTパネル工法を用いた建築物又は建築物の構造部分の構造方法に関する安全上必要な技術的基準に定める件等』のパブリックコメントが予定よりも早く出され、4月には施行予定であること。基準強度告示・設計法告示が揃い、一般的に設計ができるようになること。
もう1つは、昨年度から進めていたスギCLT床の2時間耐火性能について、性能評価を得る段階に到達したこと。
これらにより、オフィスビル床のCLT化は実施工可能なレベルに近づいており、第一号となる実際の案件は目前と考えています。この活動がさらに実りあるものに繋がっていけるように頑張って参ります。
みなさんもCLTに関して気になることがあれば是非!山佐木材まで!
営業部 小城
▽こちらから配布資料をダウンロードいただけます
コメントをお書きください
川平幸三郎 (月曜日, 28 3月 2016 14:40)
佐々木様
今朝、TVを早朝見ておりましたら、ハウステンボスホテルが、ロボットを受け付けにおいているという内容で始まり、次が72室?をCLT工法で建てたと紹介がありました。「変なホテル」といっていました。結構なお部屋になっていました。ただ木造といえば日本式の旅館をイメージするためか、味気ない感じはしました。そこは様式のベッドがはいっておりまして、洋式そのままなのですからそれでよいのですが。もっとも調度品などを和式にすれば、また別の印象になるのでしょう。 とは言え建築部外材と言いながら、実証試験が平成30年に部材として認定される以前にこのように出来上がり、ホテルの営業を始めるとのことで、先ずはお慶び申し上げます。みなさまのお力で、今後このような建築が私たちの身の回りに増えていくのでしょう。住友林業が手掛けたのでしょうか、このホテル。
以上、取り急ぎごCLT工法の現状を知り、メッセージまで。