M田部長のぶらり肝付町の旅・自慢の美味か(おいしか)とこツアー(7)

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。                 

年末年始は酒席がずいぶん増えるものです。わたしもご他聞に漏れず、というか誘われれば断り切れず焼酎を酌み交わす日々が続きました。人は酒が入ると、なぜかどうでもよいことを自慢したくなるものです。呑んでいる焼酎の味とか、五本指の靴下の履き心地とか。

 

ある席でのこと、「焼酎の割り水」についての自慢話が始まりました。

大隅半島には有名なミネラルウォターがいくつかあります。鶴とか宝とか、分け前とかの名前が飛び交っている中、「俺は自分で汲みに行っている。そこの水が一番だ。」と言い出す輩がおりました。水の味が分かるほどまともな酔っ払いではないのですが、話を聞いてみると、その水汲み場は肝付町内、しかも国道沿いで車を横付けにして汲めるのだ、しかも味が良いといいます。

 

これはぶらり番外編だと張り切って、年明けの1月2日午後から水汲みに行くことにしました。

家人を誘いましたが、そんなところまで水汲みには行きたくないと当然断られ、霧雨の降る中、一人さびしく軽バンに乗り込んだのでした。

 

その水汲み場は町内とはいえ、内之浦五郎ヶ元という車で小一時間はかかるところです。

 

高山から、県道542号線をこれまたさびしげな二股トンネルをくぐり岸良へ下り、国道448号線との交差点に着きます。ここまで35分。ここから晴れていれば絶景の海岸線を誇る国道を錦江町方面に車を進めるのですが、今日は雨。

 

車一台ともすれ違うことなく約10分。五郎ヶ元トンネルに到着。

五郎ヶ元トンネル 延長231m 幅8.5m 中はオレンジ色に輝くが車通りはない。
五郎ヶ元トンネル 延長231m 幅8.5m 中はオレンジ色に輝くが車通りはない。

 

このトンネルを抜けると、国道は海岸沿いから山の中へ入っていきます。携帯も圏外に。

そこを配慮してか、歩いている人は誰もいないのに公衆電話がポツネンと立っていました。その昔テレフォンカードというものがあったことを思い出しながら、眺めつつ通過。

公衆電話も雨の中
公衆電話も雨の中

 

公衆電話を過ぎて、上り坂にさしかかると左手に水汲み場があります。

花崗岩質の崖にある水脈に鉄管を打ち込んでこしらえた簡単な自噴式の水場ですが、となりには水神様が祭られており小さいながらも侮れない雰囲気を醸し出していました。

自噴式 20リットル缶が約1分で一杯になる流量
自噴式 20リットル缶が約1分で一杯になる流量

 

確かに国道沿いで、車を横付けして汲むことができました。

これから帰り道のことを考えると水一滴たりとも軽はずみなことはできないものだとしみじみ思います。

 

今、この水をいただいていますが、二日酔いの朝には特に味が良くなるようです。

おすすめの水汲み場です。

(次は高山に続くのか M田)