M田次長のぶらり肝付町の旅・本町八月踊り

川上地区第3回の予定でしたが、1回飛ばします。

今回は、肝付町高山本町地区で、9月27日に催された「本町八月踊り」にブラリしてきました。なんせ一年おきにしか開催されないこの祭りへの取材を、前日の飲み会席上で先輩諸氏に誘っていただいたので、こちらを先に報告させていただきます。


まずは誘っていただいた松元畳さんのお宅へ行き、ご挨拶がてら一杯頂戴しました。


昔は毎年旧暦8月18日に開催されていたこの祭りは、340年余りの歴史を持つと言われています。今は隔年、9月の第4土曜日に集落の枠を超えて開催され、見物の人も多く、海外の人も見受けられました。

夕方6時頃小雨の降るなか、集落の水神様の前で、鐘と太鼓の静かなリズムで踊りが奉納され祭りが始まります。


八月踊りは本町の通りを交通止めにして行われるため、最終バスの通過を待って櫓が運ばれ、会場が仕上がります。


踊りが始まるまで、松元さんのお宅で振る舞いのご馳走をいただき、焼酎を酌み交わし大いに盛り上がりながら、開始時刻を待ちました。

踊り手の服装は、女性暗い色の着物に、紫の頭巾で顔を覆うか、深くかぶった菅笠で顔を隠します。男性は浴衣に、紋付き羽織、藺草の陣笠をかぶるのが習わしだそうです。陣笠をかぶってみましたが、視界は狭く、少し暗いところでは前もよく見えませんでした。


7時30分、いよいよ「八月踊り」が始まります。鐘、太鼓、三味線、胡弓で奏でられる哀愁を帯びたメロディと歌がよく合わさって、通りに流れてきました。

踊り手は、櫓を中心に子供と大人の2重の輪を作って並び、曲目ごとに違う振りの踊りを踊ります。かけ声とかはなく、ただ静かに歩を進め、手先に表情を持たせるような腕の動きです。かつては、若い男女の娯楽を兼ねた出会いの場でもあったと言われていますが、なるほどそんな感じ確かにある、と独り言ちすることでした


小さな町の小さな集落に、こんなしみじみとした祭りが300年も残されており、その伝統を絶やさない努力をされていることに深い敬意を覚えつつ、夜更け帰路に着きました。

■参考:肝付町ホームページ

(M田)