欧州における木によるエネルギー・サステナブル戦略の視察(4)

10月30日、スイス北部の町ゴッサウ(Gossau)にある、4つの木材・木造建築関連の会社の「団地」を訪問しました。

特に、約10万m3の原木を消費する製材工場(レーマン社 Lehmann)の歴史は古く、工場の建物は新旧全て木造です。

同一業種が集まった団地ではなく、製材所、乾燥後プレーナー加工して販売する製材加工グループが中核としてあります。そしてそれを利用して、様々な商品に展開しています。

厚い断熱材を入れた建築用のパネルなどの建築資材を作るグループ。

当社が手がけているような大型木造建築、それもかなり特殊な、世界的に話題になっているような、デザイン性の高い難しいものを引き受けているグループ。

ちなみに日本の建築家、坂茂氏の設計された木造の7階建てビル「タメディア新本社」もここで建築されたとのこと。

■世界初の木造ビル 坂茂の木造7階建てビル、チューリヒに誕生

http://www.swissinfo.ch/jpn/detail/content.html?cid=36226708

                                  里信邦子(さとのぶ くにこ), swissinfo.ch

 


寒い地域なので道路の融雪剤は不可欠ですが、これは鉄だと錆びるとのことで、木製の融雪剤サイロも作っています。これはあちこちで道路端に建っているのをたくさん見ました。

さらにこれらの工場から出てくる廃材などを利用した、地域熱供給+発電会社があります。

「集成材は巨大な工場が沢山あって、余りに競争が激しく、作るよりは購入する方が得策」との説明でしたが、いずれのグループも魅力的な優れた商品を作っており、付加価値は高いようで、ビジネスとして成功しているように見受けました。余り大きな規模は目指さない替わりに、私達がこれからのモデルともしたい、面白く魅力的な企業集団でした。

(代表取締役 佐々木幸久)

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コメント: 3
  • #1

    古閑政秀 (火曜日, 18 2月 2014 13:56)

    佐々木社長こんにちは、新日本技術コンサルの古閑です。いつもメルマガを楽しく興味深く読ませていただいております。社長の欧州視察記を読むと日本と文化の違いもありますが森林や木材に対する考え方の違いを感じます。国土の7割が森林大国の日本も国を挙げて環境やエネルギー・風土建築などから森林・木材の活用を更に考えて行くべきと思います。そのためには林業に若者が定着出来るような施策も必要と考えます。
    話は変わりますが、山仕事ってなんと気持ちが良く楽しいのでしょう。
    私は時々山から薪を採取しますが今一番欲しいものはハスクバーナーチェンソーとポータブルウィンチPCW5000です。このポータブルウィンチなど日本ではすぐ作れそうな代物ですがホンダのエンジンを使いながらアメリカ製品で結構高価です。こんな道具が国産で普及していないことが世の中が森林を必要としていないとうことの証かもしれません。いい道具を国内に安く普及させ都会の若者が間伐作業などをスポーツ感覚でボランティア作業してくれるようになったら山が生き返るのではないかと阿呆なことを思ったりしています。
    配信ありがとうございました。

  • #2

    佐々木 幸久 (火曜日, 18 2月 2014 15:02)

    新日本技術コンサル古閑様 いつも力のこもったコメントを頂戴して有り難く思っています。古閑さんは時に薪採取のために山に入るとのこと、素晴らしい生活をしておられると思います。大雪の害で交通が途絶、食料や燃料が無い、行政は早く何とかせよ、とマスコミは言います。「薪がいくらでもあるじゃないか」と思わずテレビの画面に向かって叫んで、家内に呆れられています。もう少し私達はエネルギーも食料も外頼みの生活を改めるべきだと思うことです。

  • #3

    合原真知子 (木曜日, 20 2月 2014 15:50)

    私も薪を燃やして、25年。台風被害のときの木は針葉樹が多かったのですが、やはり針広半々が、良いですね。広葉樹がよいという人も多いのですが、森林にあるものを利用するとしたらそうなります。
    きちんとした都市計画のもとで、のびやかな木造建築がたくさんできることを願っています。