News

2017/1~


2017年8月8日(火)メルマガ臨時号

超高層ビルに木材を使用する研究会:第5回総会およびCLTシンポジウム開催いたします

■日時:10月27日(金)12:30~会員受付開始、13:30~一般受付開始

■場所:鹿児島大学 稲盛会館 キミ&ケサ メモリアルホール

■内容

(1)13:15~13:45 総会

(2)14:00~14:10 シンポジウム開会、主催者挨拶、来賓挨拶

(3)14:10~15:00 特別講演

 <特別講演1>「ヨーロッパを中心とした木造建築の潮流」

             鹿児島大学工学部建築学科准教授 鷹野 敦氏

 <特別講演2>「鉄筋集成材SAMURAIによる山佐木材CLT工場棟の設計と建設」

             鹿児島大学工学部建築学科教授  塩屋 晋一氏

 (4)15:10~17:30 パネルディスカッション「大規模木造施設へのCLT利用の課題と展望」

 (5)18:00~20:00 意見交換会 鹿児島大学内エデュカ(教育学部食堂)

   ■参加費:無料(※意見交換会は会費5,000円を予定)

   ■定員:150名 ※会員優先、会員外は先着順

   ■申込:下記ご案内をダウンロードいただき、参加申込書ご記入の上、事務局へFAXしてください

       ※申込締切 9月22日(金)

ダウンロード
超高層ビルに木材を使用する研究会 CLTシンポジウムのご案内
Symposium2017.pdf
Adobe Acrobat ドキュメント 168.4 KB

※シンポジウムの翌日10月28日(土)、希望者にエクスカーション(山佐木材工場見学)を予定しております。詳細・申し込みは下記ご案内を参照ください。(定員50名)

ダウンロード
超高層ビルに木材を使用する研究会 エクスカーションのご案内
Excursion2017.pdf
Adobe Acrobat ドキュメント 108.9 KB

2017年8月1日(火)日刊木材新聞より

◆CLTで九州支所の実験棟建設

研究用施設で国内発 森林総研

 森林研究・整備機構森林総合研究所(森林総研)は、九州支所(熊本市)の共同特殊実験棟をCLTパネル工法で建てることを決定し、今月着工した。既存の実験棟は鉄筋コンクリート造だが、建て替えるに当たり、研究用施設の建築としては国内で初めてCLTを採用した。来年1月の竣工を予定している。

 実験棟は2階建てで、昨年施工された告示にのっとり、床、壁、屋根にCLTを用いるパネル工法で建てられる。延べ床面積は、1424平方㍍、1階は実験室、2階は書庫などとして使われる。

 CLTは国産材で製造され、約600立方㍍が使われる予定。供給は山佐木材と銘建工業が行う。実験棟に隣接して在来工法で木造の倉庫も建設される計画で、総事業費は6億7000万円。設計者はE.P.A・永園・山佐設計共同体で、工事は上山建設(長崎県東彼杵郡)が行う。

 森林総研の九州支所と九州育種場の建物や設備は昨年の熊本地震で損傷、林野庁は2016年度第2次補正予算で森林総合研究所災害復旧事業(施設整備費補助金)10億5000万円を計上した。

 同予算を受け、九州支所では、研究本館他9施設の修繕と設備の更新・修繕を行っているところだが、実験棟は損傷が著しいため建て替えとなった。森林総研は、熊本地震からの復興に当たり、CLTパネル工法を積極的に採用することで、CLTの普及に寄与したいとの考えから、建て替えに当たりCLTパネル工法を採用した。

 CLTが立ち上がる秋頃には現場見学会も予定している。塗装は外壁材で覆われるが、内装は一部CLTを現しで残す予定で、完成後もCLTを見ることができるようにする。

 


2017年7月12日(水)日刊木材新聞より

◆狭小地でCLT活用

準防火地域で準耐火建築物として設計

 CLTパネルを活用した「(仮)柳町CLT Build」(高知市)が6月末に完成した。CLTパネルを耐力壁に使い、床板と木造軸組工法を組み合わせてフレーム構成した準耐火建築物で、事業主体はエスティハウス。都市部狭小地における建築工法の選択肢の一つとしてのCLTの優位性を実証するため「CLT建築推進協議会」と連携して進めたプロジェクトだ。

 同建物の敷地面積は106平方㍍、3階建て、延べ床面積は243.91平方㍍(CLT47.38立方㍍、その他34.08立方㍍)。CLTは壁、床、屋根に採用した。

 高知市の都市部狭小敷地(繁華街)に建てられた複合ビルで、特徴は準防火地域にあるため、準耐火建築物として設計されたこと。耐力壁のCLTは燃えしろ設計(石膏ボード等で被覆しない)で幅150㍉(45分で45㍉が燃焼しても残り105㍉で自立する設計)。室内にはCLTを現しで使用している。

 1階は飲食店として使用されることになっており、10月にオープンする予定だ。木材を生かした店舗デザインが期待されている。上層階の外観は、ガラス越しに内部のCLT壁が見えるようになっており、夜間はCLT壁がライトアップされる。

 設計事務所は、建築設計群無垢(高知市)が意匠、桜設計集団一級建築士事務所(東京都)が構造を担当し、CLT建築推進協議会が設計支援を行っている。


2017年7月6日(木)日刊木材新聞より

◆2時間耐火の杉CLT床を初採用

佐賀市の松尾建設本店 山佐木材と旭化成建材の国交大臣認定で

 杉CLT床を実物件として初採用した建築物が佐賀市内に建設中だ。山佐木材(鹿児島県肝属郡、佐々木幸久社長)と旭化成建材(東京都、堺正光社長)が共同で国交省大臣認定を取得した2時間耐火構造を採用。松尾建設本店(佐賀市)の新築移転に伴うもので、S造の事務所棟の2~5階の床部分に使用される。今月末から、CLT部分の工事に入る予定だ。

 CLTには九州産杉を使用し、主なサイズは厚さ210×(7層)×幅1600×長さ3200㍉が160枚。210×1600×4000㍉が56枚、210×2000×4000㍉が48枚だ。CLTの使用量は328立方㍍となる。

 松尾建設は、佐賀市内に延べ床面積3657.70平方㍍のS造6階建て事務所棟と同987平方㍍の木造2階建て会議室棟を建設する。会議室棟に使用する木材には、佐賀県産材を最大限活用した。山佐木材が事務所棟のCLTパネルの加工および施工、会議室棟の木造工事(軸組工法)の施工を担当する。

 非木造建築のなかで杉CLT床を採用することにより建築物の軽量化を図れた。松尾建設は今後、敷地条件や建物用途、規模などを勘案し、杉CLT採用の提案を検討していく。

 一方、山佐木材は杉CLTの需要先として住宅や非住宅はもちろん、今回のような非木造建築分野での部分的利用に積極的に取り組んでいく考えだ。

 同社は今年度中に同材の製造ラインの集約化・増強を図り、年間生産能力を1万立法㍍まで引き上げる。論地工場ではプレス機を1基から3基に増設中だ。

 また、下住工場内に、同社が普及に取り組むSAMURAI集成材を使用するCLT加工棟とラミナ加工棟が今秋完成の予定だ。同集成材は杉構造用集成材の材長(繊維)方向に鉄筋を挿入することで、RC部材に匹敵する高剛性、高耐力の構造性能を発揮するもの。CLT及びラミナ加工機も新設される。

 


2017年6月20日(火)日刊木材新聞より

◆木軸+CLTの新工法モデルハウス

宿泊体験の場として活用開始 阿部建設

 阿部建設(名古屋市、阿部一雄社長)は昨年4月、同市守山区の大森エコタウン内にCLTを活用したモデルハウス「手しごとの家」をオープンした。林野庁の森林整備加速化・林業再生事業(CLT等新製品・新技術実証・展示加速化事業)の補助を受けたもので、新しい建築需要の開拓に期待を寄せている。現在は在来木軸+CLTの「Aパネ工法」の実証モデル棟として位置づけられており、宿泊体験館としてもこのほど運用を開始した。

 同モデルハウスは、木造軸組工法による2階建て(延べ床面積約162平方㍍)で、壁や床には長さ3000×幅1000×厚さ36㍉の国産杉製JAS認定CLT(鹿児島県の山佐木材による製造・加工)を合計109枚使用している。非住宅物件を想定・対応するため階高を高く設計し、CLT耐力壁や自然素材の採用等により木の質感あふれる堅牢な建物となっているのが特徴だ。特に、CLTの採用は断熱性・遮音性・耐火性の確保につながり、これにOMソーラーライトとクワトロソーラー、太陽光発電などを組み合わせてZEH仕様を実現した。

 同社ではCLT利用について、NPO法人WOOD ACや岐阜県立森林文化アカデミー等と連携して木造軸組工法用のCLTによる耐力壁や水平構面の構造試験を実施。各標準仕様を決定して設計・施工要領書を整備し、同モデルハウス建築を通じて設計・技術・施行を検証する。特に耐力壁の総数を減らせる点や一般的な施工方法で建築が可能な点、間柱の省略で空間を有効活用できる点などをメリットとして挙げている。現在、同工法はAパネ工法普及協議会(阿部一雄代表)が中心となって普及に取り組み、木造のコンビニ店舗など非住宅の建築需要に的確に対応できる工法としてPRしている。


2017年6月22日(木)日刊木材新聞より

◆文化財修復に集成材活用

歴史的建造物での事例紹介 日集協が研究会

 日本集成材工業協同組合(佐々木幸久理事長)は14日、東京都内で第3回「文化財などの復元・修復に向けた集成材等利用研究会」を開いた。上田忠司竹中工務店設計本部アドバンストデザイン部伝統建築グループ課長が講演した。

 上田氏は、集成材のルーツは仏像の寄せ木造りだとした。寄せ木造りにより分業体制ができ、漆や糊などを使って接着されたことで長期保存も可能になったという。1705年に発明された組柱では、芯柱の周りにピースを張って金輪で留める。出雲大社の16丈(約30㍍)もある柱も3本の丸太を合わせて金輪でつないでいたと考えられている。松江城の柱は角材の芯を板で囲い金輪でバインド、木材同士はかすがいで留めていたなど、伝統的な建築物のなかで集成された木材の歴史を解説した。

 文化財保存の世界的な流れは、1931年のアテネ憲章が基本原則になり、64年のベニス憲章で歴史的な証拠として残す考え方が示された。72年に世界遺産条約で意匠、材料、技術、環境など真正性の要件が挙げられ、99年にイコモスが歴史的木造建築物保存の原則を示した。

 日本では消耗材としての屋根葺き材などで本来の樹種ではない木材や外材が使われるケースがあり、文化財として価値のない場合は材料にこだわる必要はないとの解釈を示した。

 上田氏は私見として、集成材利用は小屋裏、床下などの構造補修材、大径材活用の代替での使用はあり得るとした。小屋裏などでは一般木部との取り合いを考慮し、接着剤は伝統・自然材に由来するものだと抵抗感は少ないとした。


2017年6月21日(水)日刊木材新聞より

◆木質構造工事業の創設へ

年内提言に向け議論開始 木質構造工事業ワーキンググループ

 中大規模木造建築物などの加工、工事を担う専門工事業創設に向け、木質構造工事業ワーキンググループが14日に第1回ワーキング(WG)を開いた。委員長に佐々木幸久日本集成材工業協同組合理事長が就任した。関連業界11団体が集まり、専門工事業の創設の必要性について議論。3回の開催で提言をまとめることとした。

 冒頭、このWGの呼び掛けを行った佐々木氏が、自社(山佐木材)で約20年前から大規模木造建築物の設計、加工、工事に取り組んできた経緯を述べた。中大規模木造建築物に取り組む施工技術者は全国で500~

700人程度だとし、今後、中大規模木造建築物の市場が拡大していくなかで技術者が300人以上不足するとの懸念を示した。また、「大規模木造の工事では、チェンソーを使って荒削りするなど(住宅との)仕上げの違いが大きく、腕のいい住宅大工ほど抵抗が大きかった」ことから、大規模、大断面木造に特化した施工技術の必要性を感じたとし、新たな専門工事業の創設の必要性を主張した。

 事務局を務める秋野卓生氏(匠総合法律事務所代表弁護士)は、行政側との事前協議で建設業許可業種「大工工事業」に包括したまま担い手育成が可能かを相談。木質構造工事業を担う技能士等に特化した技術者資格の創設を国に提言するか、団体として技能士等の育成を行い、主任技術者として認めてもらうかなどの提案を受けたことを説明した。委員からは、技能士制度は民間工事では必須とはならず、専門工事業としての創設を目指したいとの意見があった。

 担い手育成に取り組む団体も参加。青木哲也JBN中大規模木造ワーキング主査は、住宅建築の延長上にある4号建築物、量産が可能な店舗・倉庫、木造化が望ましい学校・医療施設・高齢者施設などの施工を担えるよう取り組んでいるとした。Aパネ工法普及協議会は36㍉の薄型CLTを壁倍率5倍で使った工法を供給する団体として設立した。阿部一雄代表が社長を務める阿部建設(名古屋市)では、工務店4社で「名工家」という一般社団法人を設立。大工職人の協力関係を構築し、6月から4社の下請け業者職人500人のスケジュール管理を共有化する取り組みも始めた。木造施設協会は5月に設立し、今後、工務店連携で1000平方㍍以下の木造建築物に取り組んでいくことを相羽健太郎代表理事が報告した。

 行政からは、古沢弘康岐阜県県産材流通課技術課長補佐兼係長が非住宅木造建築物向けの人材養成講座を今年秋ごろから始める計画を説明した。高知県は、林業大学の開校を通じて木材に通じた建築士の育成にも取り組んでいくことを小野田勝東京事務所チーフが報告した。

 意見交換では稲山正弘中大規模木造技術プレカット協会代表理事が、在来工法は仕口・継ぎ手の締まりはめ、大断面木造は鋼板挿入ドリフトピン施工の隙間はめと技術的な違いに言及。近年開発された金物工法は締まりはめ工法に近くなっており、双方の技術が融合しつつあるとした。在来工法では単純梁、大断面木造では組み立て梁・トラス・アーチなどの架設の仕方も違うなどの意見があった。徳盛岳男全国建設労働組合総連合住宅対策部長は、木質構造は2×4工法、CLT、LVL、集成材などそれぞれ施工基準、接合部が異なるとし、単一の技士で対応することに疑問を呈した。そのうえで、技術をランク付けしてそれに応じて単価が上がる仕組みなら必要との意見を述べた。

 WGは年内にあと2回開き、提言をまとめていく。


2017年6月3日(土)日刊木材新聞より

◆17年は2万m3供給見込む

技術開発状況を報告 日本CLT協会

 日本CLT協会(東京都、中島浩一郎会長)は、5月30日に東京大学弥生講堂一条ホールで「技術報告会2017」を開き、約270人が参加した。中島会長は「一般社団法人化して3年になる。昨年告示が出て、12ワーキンググループ(WG)で解説書作成などに取り組んできた。今回はWGの活動を知ってもらうために報告会を開催した」と会の狙いについて話した。

 CLTは昨年告示化されるとともに、2015年度には「CLTで地方創生を実現する首長連合」が発足、16年5月には「CLTで地方創生を実現する議員連盟」と「CLT活用促進に関する関係省庁連絡会議」が発足するなど、CLTの普及に向けた動きが加速度的に進んでいる。これまでに国内ではCLTパネルを用いた建築物が完成70棟、着工予定70棟を数える。国内生産量は12年の200立法㍍から、16年には5000立方㍍となり、今年は2万立法㍍を見込んでいる。国内でJAS認定を取得している協会会員CLT工場は7工場(オホーツクウッドピア、西北プライウッド、中東、レングス、銘建工業、ウッドエナジー、山佐木材)、CLT加工工場は9工場(オノツカ、藤寿産業、ダイテック、志田材木店、中東、翠豊、スカイ、銘建工業、山佐木材)と供給体制の整備が進んでいることも示した。

 標準仕様WGでは、「実務者のためのCLT建築物解説書」の発行に向けて作業しており、9、11月には講習会の開催も計画している。

 遮音WGでは、床遮音仕様11での性能試験の実施、界壁遮音性能試験の実施とCLT150㍉片面現し仕様と両面現し仕様での界壁大臣認定取得を行った。 

 歩行振動WGでは、CLT床の場合は歩行振動を認知しやすいことから、対策用スパン表の作成に取り組んだ。北見、高知での実測データを基にモデル化を行い、検証実験も行った。

 防耐火構造WGでは、窯業系サイディング外壁仕様と木製外装材仕様の2仕様で防火構造試験に合格。防火被覆を行ったCLT壁にスイッチ、コンセントボックスなどを取り付けるケースで試験を行った。

 製造・加工WGでは、CLTのJAS改正に向けて要望事項を検討、CLTの寸法安定性確認試験での反りデータの蓄積を行った。CLT製造から、現場施工に至る期間の養生方法なども考慮。さらにCLTの加工に用いるCAD/CAMデータフォーマットの意匠CADとの連携や、鉄骨造の設計に使うIFCとの将来的な連携の可能性などにも触れた。

 接合WGでは、住木センターのx(クロス)マーク金物はCLTの外部に露出することから、意匠性や燃えしろ設計対応などの面で被覆型金物を検討し、xマークへの追加なども求めていきたいとした。

 施工技術合理化WGでは、国土交通省官庁営繕部の木造標準仕様書にCLTを追加してもらうことを目的とした、施行手順や施工精度などの確保に向けた取り組みを紹介した。CLTは大判で現場の施工計画を立て、重機の配置や仮置き、地組みの仕方なども検討しないと効率が低下すること、アンカーボルトの施工精度の確保の重要性などを示した。

 温熱WGでは、CLTの熱伝導率が明確になっていないが、天然木と合板の中間程度の値になるのではないかとの見通しを示した。つくばの実験棟での気密性能を検証したところ、パネルの隙間、金物の切り欠き部などで機密施工を行うとC値(隙間相当面積)は9.7から2.6に改善した。CLTは熱容量が大きく、室温の安定や調湿機能が期待できること、断熱性能は高いが、省エネ性能を確保するため建設地に応じた断熱施工を行うこと、緊結金物周辺の機密施工なども必要と報告した。

 耐久性WGでは、CLTの防腐・防蟻処理については基準が未整備だとし、材料は製材JASにより芯材を使用するか、保存処理K2以上かAQ3種以上(構造用集成材)に加えて、排水対策を行う必要性も示した。

 広報・普及WGでは、昨年の欧州視察の状況を報告した。


2017年5月31日(水)日刊木材新聞より

◆需要創出・人材育成に取組む

日本集成材工業協組・通常総会

 日本集成材工業協同組合(佐々木幸久理事長)は19日、東京都内で第46回通常総会を開いた。今年度は引き続き文化財などの復元・修復に向けた集成材利用の推進や大断面集成材の利用拡大に向けた規格化の検討を行うほか、造作用集成材の新たな利用による需要の創出、中層大規模木造建築物の躯体工事を担う人材の育成などに取り組むことが決まった。また、新理事に田中太郎セブン工業社長の就任が承認された。

 佐々木理事長は「昨年度は住宅建設がおう盛で、会員の方々も恩恵を受けた型が多いと聞き、喜んでいる。とはいえ、先行きには幾つかの懸念があり、集成材の品質管理、新しい技術開発や需要開拓、担い手の育成、確保など課題も多々ある。これらについては鋭意取り組みを進めているところで、手腕不足で至らぬことも多いが、辛抱強くご指導をお願いしたい」とあいさつした。

 昨年度の事業報告では、集成材の自主的な強度調査(11社11品目77体)の実施や岡山県真庭市での技術研修会の開催EPA交渉を巡る必要な国境措置の要請活動の実施活動が報告された。

 来賓祝辞では、前田武志日集協顧問、宮澤俊輔林野庁木材産業課長、澁谷浩一国土交通省木造住宅振興室長、前田直登日本林業協会会長、古久保英嗣日本住宅・木材技術センター理事長があいさつした。


2017年5月19日(金)日刊木材新聞/「新・国産材戦国時代インタビュー」より

◆今こそ過伐対策を

大中型木造を確固たる需要分野へ

 山佐木材(鹿児島県肝属郡、佐々木幸久社長)は、1991年に日本で初めて杉の構造用集成材JAS認定を取得して大中型木造建築事業を始めるとともに、業界に先駆けて設計、施工体制構築まで踏み込み、同分野の需要拡大に貢献してきた。昨今も杉CLTのJAS認定、またCLT床耐火2時間構造認定を取得し、住宅、非住宅(大中型木造)に続いて非木造建築分野での木材、国産材需要開拓につなげることを目指している。だが、佐々木社長が今、最も関心を寄せるのは、我が国の持続的林業経営が可能かという点だ。現状は過伐状況と見て早急な対策が必要だと話す。

 様々な分野で国産材需要が拡大しているのは喜ばしいことだが、九州など素材生産先進地では過伐状況になっており、持続的林業が不可能になってしまうのではないかと懸念している。再造林率の統計は出ているが、実際の有効林分率などを掛け合わせると、将来生育してくる資源量は表面上の数字よりもかなり低いのではないかと考えざるを得ない。また、資源はあっても手の入っていない山が大量に残るという可能性も大きいと思う。

 国産材が利用期に入った今こそ、放置林に対する法的な対応が必要ではないか。しっかりとした林業を行っている事業者には手厚い助成を、そうでない場合は罰則を作るくらいで臨まないと、結局、将来に大きなツケを残す。膨大な経費を使って対応策を講じなければならなくなるだろう。

 欧州などでは、しっかりとした資源調査の下で年間伐採量を決定しているところが多い。厳格な運用の下でも素材生産量を伸ばしている国がある。我が国でも同様のことができないはずはなく、間伐を中心にした循環型林業により、森林の公益的機能維持と素材生産量増加の両立は達成できると思う。日本でもフォレスター制度が始まり今後の主導的な役割を期待するが、早期に手を打っていくため、当初は行政の関与が必要だ。

 民間企業としても取り組みを進めている。地元の森林組合と原木直納契約を結ぶなかで、再造林が確実に行われている林分からの出材を条件に盛り込んだ。森組側も再造林の促進につながるとして積極的に取り組んでくれている。また、地元行政にも働き掛け、官民連携による持続的林業実現への方策を推進している。今後は産官学で現実的に林業が利益を出せる方策を提案するための研究会を始めたいと思っている。

 

安心できる木造の発注環境整備を

 大中型木造建築、また非木造建築のなかで木材利用を広げていくためには、設計、施工側が安心して仕事を発注できる環境を整えることが必要だと考えている。東京オリンピックなどはその大きな契機となる可能性があり、木材業界がしっかりと対応できれば、従来、同分野でも確固たる需要を獲得できるようになっていくのではないだろうか。日本集成材工業協同組合(佐々木氏が理事長を務める)でも、人材育成を含めて取り組んでいきたい。(連載は来週につづく)


2017年3月28日(火)日刊木材新聞より

◆再造林を原木契約購入の条件に

林業の持続的経営実現へ地元から取組む

 山佐木材(鹿児島県肝属郡、佐々木幸久社長)は、製材用原木の直納購入部分で、素材生産事業体側と再造林が行われていることを条件とした供給契約を行う取り組みを進めている。既に曽於地区森林組合からは年間2万5000立方㍍(月間2000立方㍍強)の供給体制となり、鹿児島県森林組合連合会とも年間3000立方㍍の契約を行った。同社の原木消費量は年間5万立方㍍前後になるため、再造林が確実に行われている原木の使用比率が過半を超えてくることになる。

 同社は杉大断面構造用集成材、同CLTなどの製造、販売、また設計を含めた木造建築への対応に時代に先駆けて取り組んできたメーカー。また、ビルダ向けの中小断面構造用集成材、協同組合きもつき木材高次加工センターでは杉KD構造材、羽柄材などの量産も手掛けている。

 現在、国産材先進地の九州では製材・集成材、合板、輸出、発電用など国産材需要が増加。これに伴い、素材生産量も拡大するなか、同社の佐々木社長は統計上に現れない有効林分率、再造林率などを考慮していかなければ、林業の持続的経営が危機に陥ると懸念している。そこで、まずは地元から再造林を推進するための様々な方策を模索しており、今回の取り組みはその一環となる。

 原木の安定供給に向け、同社は曽於地区森組との原木直納契約を開始したが、そのなかで両者の考え方が一致し、契約数量分の再造林が確実に行われていることを条件に盛り込んだ。森組側も再造林の促進につながるとして積極的に取り組み、当初の契約量は月間1500立方㍍だったが現状では月間2000立方㍍強が供給されている。新たに同様の契約を結んだ鹿児島県森連を含め、同社は今後も行政、素材生産事業体などと連携し、林業の持続的経営の実現に寄与していく考えだ。


2017年3月22日(水)日刊木材新聞より

◆CLT活用建築物の成果を報告

多様な実例で課題を浮き彫りに 木構造振興

 木構造振興は日本住宅・木材技術センターと14、15の2日間、東京・豊洲シビックセンターホールで「CLT活用建築物等実証事業成果報告会」を開いた。同報告会は2015年度補正地域材利用拡大緊急対策事業と16年度新たな木材需要創出総合プロジェクト事業の補助を受けて行ったもので、CLT建築物の設計や施工方法などの開発や工夫、コストなども報告した。

 報告会では「CLTを用いた既存木造住宅の耐震補強」について岡本滋史島根大学大学院講師が、配管用に穴開けしたCLTを使用するために行った実験、面内せん断性能試験の報告をした。築34年の木造住宅に精密法による耐震診断を行い、1階は短手方向の壁が少なく偏心が大きいことからCLT3層3プライ(厚さ90、幅1400、高さ2700㍉)を3枚壁に使用し、既存住宅の梁下端にL型金物を付けて20㍉のクリアランスを設けて挿入。足下はM16㍉のアンカーボルトを設置した。2階は合板耐力壁を設置し、耐震性能を補強前の8倍以上、現行の建築基準法を満たすことができた。

 「高知版CLT〈ゆかばい90〉設計・性能実証事業」の報告では、立道和男高知県中小建築業協会会長が木造住宅における2階床等剛床パネルとしてCLTを使用するために行った実験について報告。上部構造の構造躯体が水平力に対して安全であることを示すのに住木センターのグレー本で示されている詳細計算法を使って実証モデルを用いた構面実験で確認した。同協会のグループでは年間700棟の木造住宅を供給しており、CLTも住宅の床として水平構面を固め長期優良住宅として耐震性能を高めていくこと、耐震改修は年間1000件くらいで実施し、4㌧車で現場搬入して施工できるよう取り組んだ。

 「大牟田の整骨院併用住宅新築工事の建築実証」では、鷹野敦鹿児島大学准教授がCLTパネル工法で戸建て住戸付き診療所をCLT告示によるルート2で設計。合掌組みのCLTパネル工法で独立したユニットとして成立するように、梁間方向を三角形とし軸力系のみの伝達にして、桁行方向は無開口の壁とする。平屋建て延べ床面積109平方㍍でルート1の掲載でも対応できるが、仕様規定では過大な接合部の仕様が求められるため、あえてルート2の設計法で対応した。

 「井上ビル新築工事の建築実証」では、梅野光太郎大匠建設建築部主任が2階建て延べ床面積400.16平方㍍のCLTパネル工法での建築について説明した。施工はアンカーボルト205本を精度よく施工するために、コンクリート打設前に型枠の天端にフラットバーを設置してアンカーボルトの設置位置を微調整。床に使った5層7プライのCLTは1枚が700㌔もあり、25㌧クレーンを設置して対応。バルコニーはCLTの特徴でもある跳ねだしを1.8㍍行った。

 敷地条件から25㌧クレーン車のアウトリガーが住宅内部に入らざるを得ず、1階の壁の一部の設置を後回しにして2階の建て方を先に行い、途中から13㌧クレーンに変えるなど工夫した。xマークの金物1800個、ビス3万2000本を使い、金物関係だけでも相当な費用になったことを報告した。

 「若杉ヴィレッジヴァンガード新築工事の建築実証」では、日野雅司SALHAUS代表取締役が石川県で建設中の3階建て延べ床面積779.22平方㍍の建築について述べた。中規模マンションでは住戸の形状やプランなどが多岐にわたり、建物形状も複雑化するケースが多いことで多様な住戸プランに対応したCLTの採用により実践的な検証を行った。施工は事前にモックアップを作り検証したことで、建て方工期は1階フロア4日間、全体では約2週間で行い、1時間準耐火構造に対して床はすべて燃えしろ設計、間仕切り壁、非耐力壁は厚さ75㍉以上として性能を確保した。

 「KFC堺百舌鳥店新築工事の建築実証」では、畑正一郎Sho建築設計事務所代表が世界的なファストフード店舗をCLTを使って建築した事例を報告。対象建物は延べ床面積161.11平方㍍の平屋建てで、狭い敷地に重機を入れるといっぱいになってしまい、1日分の施工材しか現場に搬入できない状況のなかで、4日間で建て方から屋根、外壁下地材まで施工し、S造の場合14日掛かる工期を短縮したことを報告した。


2017年3月4日(土)日刊木材新聞より

◆年間5万m3の需要確保が焦点に

不採用の理由、早急に調査を指示

CLTで地方創生を実現する議員連盟

 昨年5月に発足したCLTで地方創生を実現する議員連盟(石破茂会長)は、2月23日に第3回総会を開いた。国内のCLT生産能力は年間5万立方㍍に達しているが、需要が追いついていないとの報告を受けた石破会長は、「国や自治体が建てる公共物件になぜCLTが採用されなかったのか、その理由を明らかにしなければ需要拡大策を進められない。コストが問題だったのか、従来と違う工法は手間が掛かると避けられたのか、そもそも検討されていないのか。早急に全省庁、全都道府県で理由を調べてほしい」と方針を示した。

 内閣官房から2017年度のCLT関連予算やCLT活用物件数(進行中含む)、20年度までのCLT普及に向けた新たなロードマップについて説明があり、環境省の新しい補助事業に関心が集まった。ただ、20年東京五輪関連施設へのCLT採用については、新国立競技場では内装等に可能な限りCLTを使うことになっているが、その他の施設はIOCからできるかぎりコスト削減を求められているとの状況が報告された。

 CLT活用物件数は今年1月26日時点で70件となり、昨年9月12日時点の38件から大きく増えていると報告された。

 用途別の内訳は事務所が15件で最も多く、住宅と商業施設・倉庫等がそれぞれ14件、学校8件、介護施設5件と続いている。地域別では関東が23件で最も多く、ついで九州13件、北海道・東北と四国がそれぞれ8件と続く。

 中島浩一郎日本CLT協会会長は、16年度末までに完成予定のCLT物件が62棟、17年度以降の予定が63棟で、宮城では10階建て集合住宅で鉄骨造の床にCLTを利用する新しい試みが進行中と報告した。「福島で建設予定のCLTの復興住宅は、協会として構造計算をはじめ全面的にサポートし、復興住宅のモデルとなる良いものを作っていきたい。16年度のCLT生産量は5000立方㍍に届かなかったが、17年度は2万立方㍍以上を実現したい」(中島会長)。発足時に3社だった会員数は現在329社に増え、特に昨年末から今年にかけてゼネコンの加盟が目立つことから、いよいよCLT建築が本格化するとの認識が浸透したのではないかという見解も示された。

 CLTで地方創生を実現する首長連合の参加首長からも、「17年度に道の駅の再整備でCLT物件を建てる」(群馬県下仁田町)、「温泉施設の改修工事でCLTを採用」(高知県北川村)、「17年度にレジャー用の施設をCLTで作ることを検討」(同大豊町)、「体育館建設にCLTを採用できないか検討したが、コストの問題で断念した。約2年後に木造物件を建てる計画があるので、その時はCLTを使いたい」(福島県古殿町)などの報告が続いた。

 今後の活動方針として、デベロッパーにCLTを使うように働き掛けていくことや、駅・空港のベンチ、商業施設のいす、机、間仕切り、店舗の棚などにCLTの採用を呼び掛けていくことが確認されたほか、古屋圭司会長代行が「全国に5万件ある郵便局の建て直しにCLTを採用してもらえないか、総務省と連携するべきではないか」と提案した。


2017年3月25日(土)日刊木材新聞より

◆CLTで需要増を

高層ビルや老健施設に かごしまCLTシンポ

 鹿児島県はさきごろ、鹿児島市内で「かごしまCLTシンポジウム」を開いた。同県は新需要となり得る部材として、今後CLTを普及させていきたい考えだ。県内の山佐木材(肝属郡)も、CLTでJAS認定を取得している。普及への取り組みとして、これまで木造の建築士を集めた研修会などを行っており、今回のシンポジウムもその一環となる。

 当日は既に木造を扱っている、また木造に興味を持つ設計士や工務店などを中心に約150人が参加した。佐々木幸久山佐木材社長と加治木百年センチュリーハウス社長、建築家の武松幸治E.P.A環境変換装置建築研究所代表、渋沢龍也森林総合研究所複合材料研究領域複合化研究室長が、CLTの可能性などをテーマにパネルディスカッションを行った。有馬孝禮東京大学名誉教授がコーディネーターを務めた。

 佐々木社長は今年、「同社のCLT工場を整備し、年間1万立方㍍まで生産量を拡大させる。超高層ビルを含む鉄骨ビルの床や耐震壁などの一部にCLTを活用することで、同材に馴染みのない施主にも提案できる」と話した。

 センチュリーハウスは木造の一般住宅を中心に手掛けており、県内初となるCLTパネル工法での賃貸集合住宅を姶良市に建設中だ。加治木社長は鹿児島県の将来的な人口減や、それに伴う同社の仕事量減少が予想されるなかで、CLTを新規事業として伸ばしていければ良いと説明した。また、子育て世帯の住宅や老健施設などの需要が増えていくのではないかとの見通しを示した。「今後、CLTの建築コストがRCやS造並みに抑えられていくことを期待している」(加治木社長)と語った。

 武松氏は基調講演で、自ら手掛けた国産材CLTを活用した非住宅物件などを紹介した。有馬名誉教授は「森林資源活用の意義と必要性」という題で講演した。


2017年3月26日(日)

◆日本森林学会市民公開シンポジウム  鹿児島で開催!

「木質バイオマス利用の現状と将来」

・日時:3月26日(日)13:30~16:30

・場所:鹿児島県民交流センター県民ホール

事前申し込み不要

・受講料無料

・基調講演:沖 修司氏(林野庁次長)「木材利用をめぐる新たな潮流」

・話題提供:近藤 博氏(中越パルプ木材㈱原燃料部長)、

      木口 実氏(森林総合研究所 研究ディレクター)

      佐々木 幸久(山佐木材㈱代表取締役)

※詳細は添付PDFをご参照ください。    

お問い合わせ先:TEL 099-285-8571、FAX 099-285-8571 鹿児島大学農学部公開シンポジウム担当

ダウンロード
29.3.26森林学会シンポジウム (1).pdf
Adobe Acrobat ドキュメント 1.8 MB

2017年3月4日(土)

◆鹿児島県主催「かごしまCLTシンポジウム」開催!

・日時:3月4日(土)13:30~16:30

・場所:マリンパレスかごしま アクセス

・定員:150名(先着順)、受講料無料

・基調講演①:有馬孝禮氏(東京大学名誉教授)

・基調講演②:武松幸治氏(建築家、E.P.A環境変換装置建築研究所代表)

・パネルディスカッション「木造建築の魅力とCLTの可能性を語る」

 当社からは佐々木社長がパネリストとして参加いたします。

 

※参加申込については、添付PDFにて下記に直接お申し込みください。

 申込・お問い合わせ先:TEL 099-224-4543 FAX 099-226-3963 鹿児島県木造住宅推進協議会

ダウンロード
かごしまCLTシンポジュウムチラシ .pdf
Adobe Acrobat ドキュメント 404.0 KB